工業国35カ国・地域の死亡率、長寿の傾向に基づき2030年の平均寿命を予想した調査から、日本女性の出生時平均余命が現在の1位から3位に、日本男性の出生時平均余命が4位から11位まで後退すると予測されていることが判明した。

代わって男女ともに韓国が世界一の長寿国となり、「韓国女性の出生時平均余命は90歳を超える」との分析結果が報告されている。

65歳以上の平均余命が延び、70歳未満の死亡率が低下

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

調査の対象となった欧米、アジアの発展国や新興経済国・地域すべてにおいて、男性の平均余命は少なくとも85%、女性の平均余命は65%延びると予想されている。

多くの国で65歳以上の高齢者を中心に平均余命の延びると見られており、例えば65歳の韓国女性の平均余命は2030年には27.5年に達する。単純計算すると92.5歳まで長生きするということだ。対照的に70歳未満の死亡率は急激に低下しており、今後もさがり続ける。

2030年に韓国女性の出生時平均余命が86.7歳を上回る確率は90%と極めて高く、90歳を超える確率は57%に達している。韓国男性の出生平均余命が80歳を上回る確率も95%だが、85歳を超える確率は27%までさがる。

韓国の平均余命の延びはかつての日本同様、「経済や教育を含む社会関係資本の向上により、感染症や慢性疾患が原因の死亡率が減ったことが貢献している 」と推測されている。

国が経済的、社会的に豊かさを増したことで、思春期の栄養水準が大幅に引きあげられたことは、「両国における若い世代の平均身長の伸びにも反映されている」。また欧米と比較して「BMI(肥満度指数)や血圧の平均も低いことが、成人病などのリスクの軽減につながっている」。

中所得国レベルまで平均余命が落ちこむ米国

対照的に日、米、スウェーデン、ギリシャなどの平均余命は、今後伸び悩むと予想されている。メキシコを除く国・地域では、女性と男性の余命差も徐々に縮小されそうだ。

近年、若い世代から高齢者まで平均余命の低下が問題となっている米国の平均余命は、メキシコやコスタリカなどの中所得国と同じ水準(男性79.5歳、女性83.3歳)にまで低下すると見られている。経済先進国の中では最も平均余命の短い国となりそうだ。

米保険数理人(確率論や統計学を用いてリスク分析・評価を行う職業)協会、ソシエティ・オブ・アクチュアリーが昨年発表した調査 結果では、「白人系米国人のリスクが最も高い」と指摘されている。食生活、飲酒、薬物使用を含む不規則で不健康な生活スタイルが原因として挙げられているほか、自殺率の上昇も懸念されている。

この調査は英インペリアル・カレッジ・ロンドンがWHO(世界保健機構)と共同で実施したものだ。年齢別死亡率を含むWHOのデータに基づいて、 平均余命の予想を割りだした。

2030年の出生時平均余命予想と2010年の比較

男性編
10位(7位)イタリア
9位(9位)ノルウェー
8位(12位)アイルランド
7位(10位)スペイン
6位(6位)ニュージーランド
5位(8位)オランダ
4位(5位)カナダ
3位(2位)スイス
2位(1位)オーストラリア
1位(19位)韓国

女性編
10位(8位)カナダ
9位(7位)イタリア
8位(19位)スロベニア
7位(12位)ポルトガル
6位(5位)オーストラリア
5位(4位)スイス
4位(3位)スペイン
3位(1位)日本
2位(2位)フランス
1位(6位)韓国

(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)