ソフトバンクとウィルコム沖縄は2018年3月31日をもって、Y!mobileのPHS向けの料金プランの受付(新規受付)を停止する。既にPHSのサービスはこの2社以外のものは終了しているが、これによってPHSのサービスは終焉へと向かっていくことになる。これまでのPHSの歴史と存在意義を振り返ってみよう。

携帯電話が高価だった時代に登場したPHS

スマホ
(写真=PIXTA)

PHSは日本では1995年に登場し、当時は端末が高価だった携帯電話の廉価版として登場した。携帯電話の基地局(当時はアナログと2Gの時代)よりもはるかに小さなマイクロセルと呼ばれる基地局を数多く市街地に配置した。電信柱や駅のホームに設置された小さな基地局を見かけた方も多い事だろう。携帯電話の基地局が持つ出力の50分の1以下という小さな基地局を、網の目のように配置することによってサービスエリアを確保する、という考え方だった。

当初はごく限られたサービスエリアしか持たなかったが、徐々にそのエリアも広がっていった。最大の特徴は、何と言っても安価な端末料金と通話料金だったため、未成年者が使うのに最適という理由もあってか、発売当初は大いに盛り上がった。PHSを展開するためにNTTパーソナル、アステルなどのキャリアが登場したが、別地域に行くとつながらない、携帯電話との通話ができないなど、今の携帯電話からは信じられないような制限もあった。しかしそれも地域別のキャリア同士のローミングにより、徐々に解決していく事になる。

ユニークな端末、サービスが続々登場し、市場を牽引していったPHS