建設や鉱山用の機械が業況好転の兆しを強めてきた。原油価格の安定や、米トランプ政権の規制緩和を背景に設備投資が活発化。建機世界大手の米キャタピラーが2017年の需要見通しを上方修正したほか、日立建機 <6305> なども新年度の大幅な収益拡大を見込んでいる。関連銘柄に物色が広がりそうだ。

建機
(画像=Webサイトより※画像はイメージです)

キャタピラーは直近、従来360億〜390億ドル(4兆〜4.3兆円)としていた今年の売上高予想を380億〜410億ドルに5%(中央値ベース)引き上げた。中国など新興国の公共投資拡大により建機需要が好調で、北米のパイプライン建設も追い風となっている。

日立建機は今2018年3月期、連結営業利益460億円(前期比63%増)を計画する。油圧ショベルの販売台数が伸びるほか、超大型ショベルといった鉱山機械についても下期に需要が上向く公算だ。

こうした中、パーツメーカーにも影響が波及している。日本電産 <6594> の永守重信会長兼社長によれば、直近買収した米国の発電機工場では、キャタピラー向けに生産が回復基調にあるという。また、北米市場では、鉱山や原油掘削現場で使用する機器の需要の一端を示す工作機械の一般機械向け受注が、3月に前月比で14%増加した。

関連銘柄は、トランプ米大統領の経済政策への期待を背景に、昨秋から今年序盤にかけて株価が大きく上昇したものが多い。しかし、その後は総じて調整を挟んだため、事業環境の改善がみえてきたこの局面で投資妙味が再び増している。

鋳造設備製造で知られる新東工業 <6339> は、シェールガス採掘向けにサンドコーティング設備を手掛ける。トランプ大統領の政策は収益拡大につながるとみられ、PBR(株価純資産倍率)0.6倍台の割安感が意識される。

ポンプの日機装 <6376> の株価は、3月末の年初来高値1299円から一時2割近く下落した。しかし、米国のLNG(液化天然ガス)関連装置メーカーの買収が吉と出る可能性がある。

発電機ではやまびこ <6250> やデンヨー <6517> が直近の株価調整で値ごろ感を強めている。このほか、シェールガス掘削に使う遠心分離機の巴工業 <6309> や、チェーンブロックのキトー <6409> などへの関心が高まりそうだ。

新興市場では、共和工業所 <5971> に注目したい。建機用の高強度ボルト専業で、コマツ <6301> が主要顧客。週足チャートは13週移動平均線が下値を支える上昇基調にある。

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