渋谷工業 <6340> の業績成長が鮮明化している。1日引け後に今6月期の連結営業利益予想を63億円から80億円(前期比32%増)に上方修正。主力の飲料用充填(じゅうてん)装置だけではなく、薬品や半導体、農業分野で幅広く需要を取り込んでいる。

渋谷工業
(写真=PIXTA)

飲料をペットボトルなどに充填するボトリングシステムで国内シェア6割を占める。高い技術力を誇る無菌充填ラインの納入を加速し、今期の売上高は910億円(前期比9%増、従来予想は880億円)に拡大する見通し。営業利益は前期の最高益(61億円)を大きく更新する。

好業績を背景に、2日は株価が一時前日比15%高の3450円まで買われて2014年6月の上場来高値(3505円)に迫った同社。業績成長の原動力は、主力の飲料用だけではない。

足元では、国内製薬メーカーの間で同社の薬品向け注射剤の採用が広がっている。半導体製造装置や、政府の農産物輸出力強化の方針を背景に果実の選別などに使う農業用設備の売上も伸びている。

一方、これらの産業機械のほかにも、潜在成長力の大きい注目材料を抱えている。それが再生医療だ。直近では、ニコン <7731> と共同で再生医療の細胞培養装置の開発に成功。また、骨髄細胞を使った肝臓治療技術の米国展開も狙う。収益貢献がまだない部門だけに、一段と同社の業績を押し上げる大きな要素として注目される。15倍台の現在のPERは、長期的に極めて割安な水準とも考えられる。(5月2日株式新聞掲載記事)

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