実は、この時期税金ラッシュの時期である。6月には、固定資産税、住民税の通知がやってくるのだ。税金の負担を感じずにはいられない。この通知は決定事項なので、できることは来年の対策のみである。

固定資産税の決まり方

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(写真=Photon photo/Shutterstock.com)

固定資産税は、毎年1月1日現在、土地、家屋及び償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方を対象としている。厳密にいうと、1月1日が過ぎ、2日に所有したら請求されないということにもなる。そのまま資産を12月31日に売り、次の1月1日が来る前に手放せば、固定資産税の負担をしなくてもよいということになりそうだ。

税率は、課税標準価格の1.4%。課税標準評価額はお手元に届いた通知書をみてみるといい。自分の住んでいる家屋の評価額が分かるはずだ。

固定資産税は、固定資産の価格をもとに算定される税額をその固定資産の所在する市町村が課税する税金であるが、東京都23区内においては、特例で都が課税している税金である。問い合わせ先は税務署ではなく、都庁というわけだ。

固定資産とは土地、家屋、償却資産の総称だ。田、畑、宅地のほか、池沼や山林、牧場、原野などを含む。建物は、住家や店舗、発電所・変電所含む工場、倉庫など。また償却資産とは、機械、装置、工具、器具、備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税又は所得税で減価償却の対象となるものだ。

住宅用の家屋には軽減がある

固定資産税・都市計画税の住宅用地には課税標準の特例措置があり、税負担が軽減されている。この特例措置を適用するには、「固定資産税の住宅用地等申告書」により申告する必要がある。

申告が必要となる事由が生じた年の翌年の1月31日までに自ら申告する必要があるので忘れないようにしよう。

通常の固定資産税の3分の1から6分の1になるのできちんと確認すべきである。住宅用家屋とは、具体的には住宅用家屋(専用住宅、アパート等)の敷地、住宅用家屋の敷地と一体となっている庭、自家用駐車場も含まれる。2017年度における23区内の都市計画税については、住宅用地のうち、住宅1戸あたり200㎡までの部分つまり小規模住宅用地に対する税額を、都税条例により2分の1が減額される。

住宅用でない場合も軽減できる可能性

住宅用家屋には、市区町村も軽減措置がある。投資用物件つまり居住していない物件には固定資産税の軽減はない。

しかし、投資用物件の固定資産税は全額経費計上できるというメリットもある。つまり、固定資産税では軽減は受けれないが、所得税では軽減ができるというわけだ。投資物件の固定資産税の納税通知書及び納付済納付書は、捨てずにきちんと保管しておこう。

今空き家の物件があるなら、この機会に貸すことを検討してみるといかがだろうか。リフォーム費用は一時的にかかってしまうが、家賃収入が入る上に、ただの税金納付が節税の経費計上にすることができるのだ。

冒頭で、12月31日に資産を売った場合、固定資産税の納付義務がないとお伝えした。しかし、地方税法は厳密には売買間の固定資産税の負担は当事者間での合意となっている。売買する際は、不動産会社など相手方ときちんと確認して決めておくとよい。

固定資産税の不服がある場合は行政不服審査法に基づく審査請求を知事にすることができる。2017年度は、4月3日から9月6日(消印有効)まで。これらの期間を過ぎると、原則として審査の申出をすることができないので注意する必要がある。

固定資産税も知らないと損する税金である。一度お手元に届いたら特例は利用されているかなど確認してみるとよいのではないだろうか。(眞喜屋朱里 税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)