ギャンブラーではなく、本当の投資運用ができるFXトレーダーになるために、トレードの勝敗要因を全て管理できる必勝方程式を押さえていきましょう。
(本記事は、山崎毅氏の著書『
世界一わかりやすい「FX」1億円トレードの教科書
』ぱる出版 (2017/2/7)の中から一部を抜粋・編集しています)
FXで勝ち負けを左右する15要因
FXで勝ち負けを左右する要因は、全部で15項目あります。この15項目を全て管理できるようになると、初心者のあなたでも達成できるというイメージが浮かんできましたか? このように、想定する取引回数をベースに、達成しなければならないターゲットを定めることで、自分がFXでどれだけ勝たなければならないかが分かってくるのです。
1.目標利益
2.取引資金
3.利益確定
4.損失確定
5.リスクリワード
6.レバレッジ
7.取引手法
8.勝率
9.取引通貨
10.取引回数
11.期待損益
12.レバレッジ効果
13.相場環境
14.取引ルール要因
15.マインド
以上15項目となります。
目標設定
目標利益
まず、初心者でも、プロやファンドでも、FXで勝ち組になるためには、自分自身の目標を設定していくことがスタートになります。達成すべき地点や、立ち返るべき原点を定めることで、トレードがギャンブルから管理できるものになるからです。
そこから、一緒に考えていきましょう。私が、初心者の方におススメするのが、月利回り5%のトレード実績を達成する計画からはじめることです。年利60%ということです。
100万円でトレードする場合は月5万円、10万円なら月5000円のリターンですね。これを1日あたりで計算すると、100万円でトレードする場合は1日2500円、10万円の場合は1日250円勝てば、月利回り5%の目標達成ができます。この目標は、自分がトレードする期間に合わせて具体的に計算して把握することが大事です。
取引資金
次に、あなたの目標が叶うように取引資金を決めていきます。あなたのトレードが安定する投資資金はどれぐらい必要でしょうか? そして、いくら用意したら、いどのくらいの利益目標になるのか見てみましょう。10万円の場合、1日250円、週1、250円、月5000円、年6万円勝つ計算になります。
500万円であれば、年300万円です。これが、月利回り5%の実力です。これは大きいですよね? 年60%といって10万円だと少ない気分になりますが、この利益率は、500万円の投資資金があった場合に300万円になるため、会社勤めは辞めてしまおうかしら、と思うような金額になります。
つまり、目標利益は、利回りと利益額の両面から計算することが大事になります。
利益確定/損失確定
次に、これらの目標を実現するための取引上のターゲットを決め、利益確定・損失確定ラインを明確にしていきます。ターゲットとは、獲物のことですね。どの獲物をとったらあなたの願いが叶うのか? うさぎなのか? トラなのか? ライオンなのか? ねずみなのか? 鳥なのか? それが分かっていないと、自分の願いも叶わないですよね?
それをFXで捉えると、あなたの目標を叶える「値幅」になります。
成功するFXトレーダーは自分が狙うべきターゲット=「値幅」を知っています。それでは、月利回り5%の場合、ターゲット=「値幅」はどのくらいになるでしょうか?
月利回り5%であれば、5円の為替変動が必要になります。レバレッジ1倍であれば500 pipsとなります。週の目標値幅は同じくレバレッジ1倍で125 pipsとなります。1週間で1.25円の為替変動があれば、目標達成するのでかなりの確率で目標達成しそうですね? 1日の目標値幅であれば、25 pipsの変動です。
これなら、初心者のあなたでも達成できるというイメージが浮かんできましたか? このように、想定する取引回数をベースに、達成しなければならないターゲットを定めることで、自分がFXでどれだけ勝たなければならないかが分かってきます。
通貨ペアの選定
次は、あなたの目標にあったターゲット(「値幅」)がどこかを探します。うさぎさんなら穴の中。鳥さんなら木の上。鹿さんなら林の中。ライオンさんなら……など、あなたの目標にしているターゲット(「値幅」)の在りかを探しましょう。
それが、通貨ペアです。利回り5%が目標であれば1日0.25円以上の値動きがあるところを見るとどの通貨ペアでも大丈夫です。1週間の目標であれば1.25円ですので1.25円以上の値動きのある通貨ペアでトレードしたらたった1日で1週間分の目標も達成してしまうかもしれません。
1日の動きは約1.7円のポンド円の値幅が一番大きそうだということが分かります。逆に、平均値幅が小さいのは、取引量が多く値動きが安定的なドル円やユーロドルなどのメジャー通貨が一般的です。
リスクリワード
取引における平均利益と平均損失の割合のことです。勝率が同じであれば、平均利益が大きい手法の方が、そうでない手法に比べて期待リターンが高くなります。そのため、利益確定と損失確定の値を、「利益を大きく、損失を小さく」設定することで、勝率プラスアルファの利益押上げ要因として活用できます。これらが、トレード設計の第一歩です。トレード設計が出来ると今後何に役立つかというと、FXにおけるリスク管理です。
◎あなたがFXのトレーダーとなるのか?
×それともギャンブラーとなるのか?
ここで大きく分かれます。
もしも、あなたがトレード設計もせずにFXトレードに望むならそれはギャンブルです。
×ギャンブルであれば
・目標利益が明確でない
・トレードの損益が読めない
・ゴールが見えない
・リスクが不安定
◎きちんと資産運用ができる投資家であれば
・目標利益が明確
・目標達成に必要な損益が分かる
・目標達成までの取引計画が作れる
・リスクを限定・管理できる
このように大きく変わっていきます。ただ、トレードをし続けるのと、運用をするのでは大きく違い、プロトレーダーたちの本当の仕事というのはこれらの管理にあたるということです。それが個人であっても、ファンドであっても、これらをしない限り、または、知らない限りは勝ち続けるのは難しいでしょう。15項目を管理して勝ち組トレーダーの仲間入りを果たしていただければと思います。
山崎 毅(やまざき・つよし)
マレーシアに在住。トレーダーとして自己資金の運用を行いながら、投資教育やグローバル資産運用業務の構築など、幅広く活躍している。