ここでは、私の生徒さんたちがトレード実行中に私にくれた質問と、回答例を紹介します。読者の皆様も同じような質問や悩みにぶつかることがあるかと思いますので、是非、ご活用ください。
(本記事は、山崎毅氏の著書『
世界一わかりやすい「FX」1億円トレードの教科書
』ぱる出版 (2017/2/7)の中から一部を抜粋・編集しています)
数万円~100万円の主婦トレーダーの質問
(質問) 私は現在10万円でトレードをしていまして、月で2%程度の利益は出せるようになってきました。そろそろ、レバレッジを上げても大丈夫でしょうか? また、その場合何倍くらいまで上げても大丈夫ですか?
(山崎回答) 「取引通貨数を増やしたり、リスクリワードを改善することで、手法をいじらずにトレードの期待値を向上できることでしょう。レバレッジ倍率を上げるタイミングですが、低いレバレッジで数カ月程度2~3%以上の利益を出せる実力がつきましたら、十分使いこなせる時ではないかと思います。コツは、一気に倍率を上げずに少しずつ上げていくことと、勝率の高い手法や通貨だけレバレッジを上げたりすることです。また、レバレッジの最大使用倍率は、5倍以下で設定すると良いでしょう。
10倍以上のレバレッジを使用すると、相場の値動きに乱高下があった場合に、資金の半分以上を失ってしまう可能性があります。なので、レバレッジはこれまでの安定利益を少しかさ上げできる程度で考えておき、あくまでもコアの利益は、トレンドに乗る手法から引き続き稼ぐようにしてください。レバレッジに頼りすぎると、これまでのトレードスタイルが崩れてしまう恐れがあります。まずは、デモ検証も含めながら、さまざまなパターンを試してみてください」
(質問) FPの資格を取得した私に夫が、300万円の資金を預けるからそれで毎月20万円稼いでみろと言ってきました。最初は私もやる気満々だったのですが、徐々に不安になってきたのです。夫のお金をなくしてしまったらどうしよう? 負けたらどうしよう? それも不安ですが、実際に口座にお金を入金してみると、300万円も扱うこと自体にも不安を覚えます。正直、50万円くらいが私の器なのかもしれないと思います。そんな状態で、月20万円も稼げるでしょうか?
(山崎回答) 「ご主人様が300万円を投資して下さるということで、責任重大ですよね?しかも、月利10%もの利益を狙わなければいけないなんて、誰でも不安になるかと思います。しかし、そんな場合でも解決策がないわけではありません。トレードが不安な時は、まずは目標月利1%、レバレッジ1のトレードから始めてみることをオススメします。
この場合は、目標金額というのは度外視して構いません。トレードで自分が許容できるリスクの大きさを知ることが大事になります。それに、300万円の1%なら月3万円ですので、例え損失が出てしまっても、少し手痛い勉強料で済ますことができます。トレード中にストレスやプレッシャーを抱えてしまうと、持っていれば利益が出たはずのポジションを途中で決済してしまったり、売買サインに従っていれば利益が出たはずのトレードを怖くて実行できなかったために得られなかったりと、マインド要因による悪影響も出てしまいます。まずは、自分の範囲でできる小さな一歩からはじめていきましょう」
100万円~500万円のサラリーマントレーダーの質問
(質問) 私はFX初心者ですが、1年間くらいちょろちょろとFXを体験したことがあります。臆病者なので、書籍を買ってはその手法を少額で試して… 勝てないな、などと繰り返していました。しかし先生の書籍を読ませて頂き、今までもやもやしていた霧が晴れ渡ったかのようにスッキリした気分になりました。そして、まずはトレンド方向だけに売買していくという基本的な指針だけに集中し、なんとか今では利益も出るようになってきています。そこで質問なのですが、ずっと上がっている相場が、突然下がることがあります。そして、トレンド方向が変わったのか?と思って売りを出したら、今度は上がってしまった、なんてことが何度となくありました。このトレンドがいつまで続くのか?は、山崎先生でもピッタリとは予測できないと言っていましたが、それでも、そんな時はどうやって見分けているか教えてください。
(山崎回答) 「私のスクールでは、トレンド・スカウターというツールを使って、トレンドの方向を色や番号で視覚的に判断しています。スカウターは、相場の上昇・下落を、赤青の2パターン色で表示してくれるため、一目で相場が上昇局面なのか下落局面なのかが分かります。
さらに、6段階のパターン番号を見れば、トレンドの中のどの辺りの位置に現在価格があるのかを把握することもできます。6段階の分類は、天井圏や底値圏、上昇から下落への転換局面や下落から上昇への転換局面など、細かな相場の流れを分類するものになります。
具体的には、相場の一連のトレンドを、
①上昇最終局面・天井圏
②下落転換
③下落継続
④下落最終局面・底値圏
⑤上昇転換
⑥上昇継続 という6段階で判断します。
スカウターを使うことで、現在の価格が、大きなトレンドの中のどのあたりの位置にあるのか?そして、トレンドがどういう方向に流れているのか?を読み解き、それを次の流れの推測や、トレンド転換察知に利用するのです。これらは応用テクニックになりますので、まずは、相場が上がっているのか?下がっているのか?という視点で、大きなトレンドをみる練習をしてみてください。それに慣れてきたら、番号の転換局面や平均線の交差点などに注目です。
今回の読者さまにも、このトレンド・スカウターを一定期間無料で体験できるような特典を用意していますので、ぜひプレゼントから取得し、試してみてください」
FXで勝ち続けるプロトレーダーの極意と本質
FXで生計を立てているプロトレーダー達は、例え、1年でも負け越してしまったら喰っていくのが大変になります。ファンドの敏腕トレーダーでさえ、何年も負け越してしまったらクビになります。彼らは、負けられないプレッシャーや不安と闘いながらトレードをしているのです。
逆に、普段サラリーマンをしている方や自営業の方、主婦の方などの兼業トレーダーであれば、そんな悩みはありません。相場の動きが悪ければ、思い切ってトレードから離れてしまい、環境が良くなったら戻ってくればいいのです。このことは、トレードの世界ではとても有利な条件になります。ベテランと思われる相手は、例え不利な環境でも戦わなくてはなりません。
しかし、あなたは、自分が勝ちやすいと思った時だけ勝負をして、勝てなそうだなと思ったらさっさと撤退(様子見)することができるのです。まさに、良いとこ取りができるポジションです。兼業トレーダーの方の多くは、トレード時間が取れないことを不利だと考えているようですが、逆にその方がトレードでは有利だったりするのです。この章の前半部分では、たくさんの生徒さんやセミナー参加者の方の質疑応答を紹介しましたが、彼らも、まずは自分の立場を正しく理解し、自分なりに有利な環境・手法を選択できるようになったからこそ、勝てるようになってきたのです。
その要因は人それぞれですが、低いレバレッジから取引することで安心してリスクを取れるようになった方もいますし、逆に、この原理原則を学び、一発逆転のギャンブルトレードから卒業できた方もいます。また、手法は、既に、さまざまな所で勉強していたため、勝利の方程式の考え方と、結果分析の技術を理解しただけで成績が向上した方もいます。
FXで勝ち続けるためには、プロに引けをとらないレベルの計画・管理技術や手法・取引実行力を習得しなければなりません。しかし、トレードに不利になるようなことまでプロの真似をする必要はないのです。むしろそれを逆手に取り、有利にトレードを進めることこそ、個人投資家の生き残る道になるでしょう。
そして、有利にトレードを展開していく技術とは、手法や勝率だけではなく、目標・計画の設定、勝利の方程式による期待値の想定、デモトレードでの検証、移動平均線等の分析手法による有利な取引ポイントのルール化、トレードの記録・結果分析など、トレード全体を通してリスク・リターンを管理する一連のトレード技術のことです。
この技術を自分の習慣にし、計画→取引実行→結果分析→計画修正→取引実行…と、サイクルを繰り返していけば、どんな相場でも負けない、勝ち続けられるトレーダになれるのです。
つまり、FXで勝ち続ける極意とは、
「トレード前にすでに勝っている(勝ちやすい)!」 状態で取引を実行し続けることなのです! さあ、FXの世界に一歩を踏み出しましょう!
山崎 毅(やまざき・つよし)
マレーシアに在住。トレーダーとして自己資金の運用を行いながら、投資教育やグローバル資産運用業務の構築など、幅広く活躍している。