政府の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」原案が30日までにほぼ固まった。人口減や高齢化など中長期の日本経済の課題に取り組む。骨太の方針は、子育てから社会人まで全世代への教育投資の拡充を柱に据え、保育園や幼稚園の費用負担を早期に無償化する方針を明記する。無償化の財源については「こども保険」の創設などを検討し、年内に結論を出す 。

原案は6月2日の経済財政諮問会議に示され、与党との調整を経て6月9日にも閣議決定される。

幼児教育の早期無償化や大学教育の質の向上

骨太の方針,教育無償化
(写真=Andrey_Kuzmin/Shutterstock.com)

安倍首相は30日「成長戦略の中心に人材への投資による生産性向上を据える」と述べた。より多くの人が高等教育を受けられるように仕組みを見直すなど、教育投資の拡充を目指す柱となる教育については、特に以下の3点の政策を進める。

・幼児教育・保育の早期無償化や待機児童解消に向けて、財政の効率化、税制、新たな社会保険方式の活用を含めて安定した財源確保策を検討し年内に結論を得る。

・高等教育では給付型奨学金や無利子奨学金など、必要な負担軽減策を推進する

・大学教育の質を向上するため、教育課程などの見直し、教育成果に基づく私学助成の配分見直し、大学教育の成果の「見える化」を進める。

早期の幼児教育無償化に向けた財源確保明記