世界が恐るべきランサムウェア(身代金要求型ウィルス)の脅威に震撼させられた。最初、英国の医療機関National Health Service(NHS)で攻撃を受けたことが明らかとなったが、その後多くの国に広がり、日本国内でも被害が出た。少なくとも世界150カ国で計20万件の被害が出ていることが明らかとなっている。被害を受けた中にはFedEx, ルノー, 日立など世界的な企業も含まれている。

今回、問題視されるのは医療機関など生活インフラに関わる組織が攻撃を受けたことである。またIoT(Internet of Things)の促進がさまざまなところでうたわれている今日、もし、生活インフラがランサムウェアなどの脅威に感染すれば経済活動は大きな影響を受けてしまう。こういった危惧に対して我々はどういった答えや対策を用意すべきなのだろうか。

IoT導入の現状

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(写真=Georgejmclittle/Shutterstock.com)

車や冷蔵庫などあらゆるものをインターネットで接続してしまおうというIoTは、従来のビジネスモデルからの変革をもたらす可能性があるとして大きな注目を浴びている。世界のIoTの現状はどこまで進んでいるのだろうか。少し垣間見てみよう。

・カーシェアリングでの車の空き状況確認やスマートフォンの鍵としての利用など
・居住者の生活パターンを踏まえた自動空調コントロール
・スマートフォンと車との連携
・ビッグデータの活用による物流配送の効率化
・農地の環境モニタリング

このように個人から企業などさまざまなところでIoTの活用が始まっている。かつてコンピュータがインターネットでつながったことでこれまでの価値観が大きく変わったように、すべてのものがインターネットを介して接続することでビジネスモデルの大きな変革が起きると考えられている。

社会的生活インフラに対するセキュリティ対策