11歳の男女1万2550人のうち、「寝室(日本の子ども部屋にあたる)にテレビがある男子の20%、女子30%が肥満問題を抱えている」 という調査結果が報告された。

調査を行ったユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの科学者は、過半数が7歳までに自分の寝室にテレビを設置している事実と、世界的に増加傾向にある子どもの肥満問題を照らし合わせ、警鐘を鳴らしている。

WHO「デジタル機器が子どもの健康のリスクに」

調査レポートの作成者であるアンジャ・ヘイルマン氏は、「複雑な要因がからみあって肥満の原因となっている」ことを認める一方、主要原因は運動不足と見なしている。

しかしテレビを観ながらあるいはゲームをしながら、高カロリーなお菓子やジュースなどを摂取している子どもが多いことも、肥満率を押しあげている要因のひとつだろう。

デジタル機器と子どもの肥満の関連性を指摘している研究機関は多い。WHO(世界保健機関) も2017年に発表したレポートの中で、「デジタル機器の長時間利用が、子どもの健康をリスクにさらしている」との懸念を示した。

WHOは世界42カ国、20万人の子どもから回収した調査結果に基づき、2002年から2014年における子どもの肥満率を分析。ほぼ3分の2の子どもが1日平均2時間以上デジタル機器でゲームをしていること、運動不足の子どもが増えていることなどの事実が明るみにでた。

「デジタル機器の制限」も子育ての一環?