厚生労働省が6月2日に発表した人口動態推計によると、2016年の出生数は97万6979人となった。1899年の統計開始以来初となる100万人割れとなった。合計特殊出生率も1.44と2年ぶりの悪化となり、少子化問題の深刻さを再認識させられる統計となっている。
合計特殊出生率も悪化 晩婚化が要因?
出生数は97万6979人で、前年の100万5677人から2万8698人減少し、初の100万人割れとなる。出生数のピークは1949年の269万6638人であり、ピークと比べると出生数は3分の1近くまで減少している。また、合計特出生率も1.44と、前年より0.01ポイント減となった。合計特殊出生率は2005年に1.26を付けた後、上昇傾向にはあるが、そのペースは極めて緩やかとなっている。
厚生労働省は出生数の減少について、出産適齢期の女性人口の減少が要因であると見ている。出産適齢期の女性人口の減少が進む中、少子化に歯止めをかける為には合計特殊出生率の上昇が不可欠となるが、こちらも伸び悩む構図となっている。
もう一つ、少子化を助長する要因であると見られるデータがある。第1子出生時の母の平均年齢である。2016年は30.7歳であった。2005年の29.1歳から第1子出生時の年齢は1歳以上高くなっている。1975年には25.7歳であった事と比べると第1子出産年齢の高齢化がより顕著に分かる。
要因としては近年の晩婚化が挙げられる。2016年の女性の平均初婚年齢は29.4歳となっている。1995年には26.3歳、2005年には28.0歳であり、晩婚化は年々進んでいる。また、25~29歳女性の初婚率は1995年の70.64%から2016年には57.98%にまで減少している。こうした晩婚化が第1子出生時年齢の高齢化に繋がっている。