パナソニックが福井県あわら市で行った「宅配ボックス実証実験」の最終結果を発表した。2016年12月初めから17年3月末まで実施されたもので、再配達率はボックス設置前の49%から8%に大幅減少した。それによって、労働時間が222.9時間削減された。

実証実験は、パナソニック エコソリューションズ社があわら市の「働く世帯応援プロジェクト」に参画して、共働き106世帯を対象にして開始した。実験期間4カ月の宅配状況について、モニター世帯にアンケート調査を行い、回答があった延べ417世帯(4カ月分)のデータが集計された。

再配達率、労働時間、CO2排出削減など大幅改善

流通業界,加重労働
(写真=PIXTA)

報告書によると、この期間の総配達数は2258回。1回で受け取ったのは1062回(47%)、宅配ボックスで受け取ったのは1013回(45%)だった。再配達率は49%(1カ月で283回)だったのに対して、設置後は平均8%(4カ月で183回)と大幅に減ったことが判明した。モニター世帯の94%が、宅配便の受け取りに関係するストレスが改善されと回答している。

あわせて、再配達頻度が改善されたことによって、宅配業者の労働削減時間(想定値)は約2230時間に達し、それによるCO2削減量の想定値(杉の木換算本数)は、465.9kg(33.3本)になったという。

あわら市は全国に先駆けてボックス設置費用に補助金