転売目的としてコンサートの電子チケットを購入したとして、43歳男が兵庫県警サイバー犯罪対策課に逮捕された。男は容疑を認めている。電子チケットによる高額転売の逮捕は全国初という。

高額なチケット転売は社会問題に

転売,フリマアプリ,経済事件
(写真=PIXTA)

逮捕されたのは和歌山在住の無職の40代ので、逮捕容疑は詐欺。2016年9月に、人気アーティスト「サカナクション」のコンサートの電子チケット2枚をネットの転売サイトに出品したという疑い。定価1万3648円のものを7万4000円で出品、容疑者はチケットの転売をたびたび行っており、2014年以降約6000万円を売り上げていたと見られる。

チケットの不正な高額転売は、社会問題になっている。かつてはコンサート会場前でチケットを転売する「ダフ屋」が転売を行っていた。しかし、インターネット上で転売ができるようになり、チケットの転売ビジネスが盛んになってきている。オークションサイト、フリマアプリだけでなく、チケット転売専門のサイトまで登場し、個人でも気軽にチケット転売ビジネスに参入できてしまうのが現状だ。

チケットを転売目的で買い占めてしまうことで、本当にライブに参加したいファンのもとにチケットが回らない。参加できたとしても、ファンには大きな経済的負担がかかる。この現状を受け、日本音楽制作者連盟や日本音楽事業者協会をはじめとする4団体や100組以上のアーティストが2016年8月23日に声明文を発表した。賛同するアーティストや音楽イベントは増加しており、現在は172組のアーティスト、5団体、32の音楽イベントが参加している。

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