GBPとは
GBPとはGreat Britain Poundのことであり、英国で使用されている通貨です。一般的に日本ではポンド、もしくは英ポンドと呼ばれています。英ポンドはその昔、世界の基軸通貨と言われ様々な国の間で決済や金融取引に広く使用されていました。現在では米ドル(USD)が基軸通貨として一般的に使用されるようになり、またユーロの発足により基軸通貨としての地位は低下していきましたが、FXの世界では現在も人気の通貨として取引は盛んに行われています。
GBPの特徴
GBP/JPY相場の特徴として、まず挙げられるのがボラティリティの大きさです。ボラティリティとは値動き幅のことを言い、他の通貨ペアに比べて値動きが比較的大きく、一日で2~3円もの値動きがあります。相場の状況にもよりますが、USD/JPYの2倍程度の値動きがあり、その分利益も損失も大きいのが特徴的です。
値動きが大きいことから、明確なトレンド時に流れに乗ると大きな利益を得やすいということで、短期保有のスキャルピングトレードやデイトレードでとても人気の高い通貨ペアです。逆に値動きが大きいため損失が大きくなるリスクも高く、明確で徹底した損切りや幅を持たせたストップの設定などがしっかりしていないと相場に振り回されてしまうこともよくある通貨ペアだといえます。
また、同じヨーロッパ圏内の通貨であるユーロと関係性が高いことも特徴として挙げられます。投資家達はユーロの動向を意識して英ポンドの取引を行う傾向にあり、ユーロが不調の時は資金をポンドに流すためポンド高となり、ユーロが好調の時はユーロに資金を流すためにポンド安となる傾向が見られます。
チャートから見るGBP/JPY相場の推移
過去のチャートからGBP/JPY相場の推移を解説していきたいと思います。GPBは2007年には250円もの高値を付けていた時期がありました。ところが、2007年にサブプライム問題が起こりイギリスにも大きな影響を与える結果となり、さらには翌年のリーマンショックの影響で価格は急落。一気に下降トレンドを形成して、なんと2009年には116円にまで落ち込んでしまいました。そこから一時的に反発し160円付近まで上昇したのですが、下落の勢いは止まらず、2012年まで下降トレンドが続いていました。これは日本がデフレの影響で超円高となっていたことも大きな要因として考えられます。2012年1月にはGBPは120円付近まで下落していたのですが、そこから徐々に価格は回復していき、130円台まで上昇していきました。そして2012年の12月に大きな転換ポイントを迎えることとなりました。その転換ポイントとは、我々の記憶にも新しい「アベノミクスによる脱デフレ化宣言」です。脱デフレ宣言を皮切りに日本の超円高から円安に移行したことで、円の価値が下がりポンドの価格が大きく上昇していきました。
このように、GBP/JPY相場は2007年からの5年間で大きな下降トレンドを形成し価格が下落していき、2012年で転換ポイントを迎えて価格が回復しているのがチャートから読み取れます。
2013年のGBP/JPY相場
前節で解説したように、アベノミクスの脱デフレ宣言の影響もあり、長い間下落していたGBP/JPY相場は下降トレンドから一転し、大きな上昇トレンドを形成していきました。2013年1月には最高値148円まで値段が回復したのですが、そこから少し値段を戻し2月末には138円まで下落。しかしそこから押し目を形成し145円付近まで上昇した後、再度140円付近まで下落していくといったように、短期間で相場は荒れた状態が続きました。
ところが4月に入るとわずか1週間ほどで140円から152円まで12円もの価格急騰が起こり、5月には156円もの高値を付けるまで上昇していきました。上昇はそこで一旦ストップし、8月までの3ヶ月間はレンジ相場を形成。相場が上がったり、下がったりと読みにくい相場を形成していきました。
その後徐々に値段は回復しつつも160円付近で頭打ちするように再度レンジ相場に突入し11月まで継続していたのですが、11月に入ってから再度押し目を付けて上昇トレンドを形成し、12月現在も上昇トレンドは続いており、170円に到達するまでに価格は上昇し続けています。
今後の展開予想
2014年以降の展開予想についてお話しします。現在でも上昇トレンドが継続しており、週足や月足で見てもかなり大きな上昇トレンドになると考えられます。過去のチャートからの判断だと特に大きな抵抗線もないため、突発的な地政学的な要因により価格が急落するか、経済不安による超円高が生じない限りは、2014年以降も上昇トレンドが継続するであろうと予測できます。過去の抵抗線から判断すると、最終的には200円付近まで上昇することが期待できます。