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カナダという、知っているような知らないような国。お隣とはいえ、アメリカとは違った見方が必要です。この国の通貨、カナダドルは資源国通貨であるという点を押さえておきましょう。取引をする際に気をつける点もあわせてご覧ください。


経済面から見たカナダという国の性格

カナダは先進国であると同時に資源国ですが、資源の輸出だけでなく、工業も発展しています。そのためGDPの伸び率は2%前後を推移しており、経済状況は安定しています。アメリカと国境を接していながらも、国民性も違い、公用語も英語と共にフランス語とされています。さて、資源国であるカナダは、世界第二位という広大な国土から、石油、天然ガス、鉱物を産出しています。ですので、輸出先の影響も受けやすいと言えます。シェールガスなど、中東よりも安価なため、日本が輸入に向けて動き始めたとの報道が2013年9月にありました。エネルギー問題が深刻な日本では、今後カナダ経済に関する報道が増えるかもしれません。そうなれば、カナダの情報を手に入れやすくなり、より一層カナダドルのトレードが身近になるでしょう。

参照 外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/canada/data.html#01
IMF http://www.imf.org/external/country/CAN/index.htm


カナダドルの性格

主にカナダドル円のペアについてお話します。2014年1月現在、カナダドルは91.2円から99.2円と、年初から大幅に値を下げました。ドル円と比べると振り幅が大きく、資源国通貨らしい動きです。カナダドルのスワップ金利に魅力があったのは2008年初頭までで、リーマンショック以降は下がり続け、政策金利は現在1%前後に収まっています。おおむね資源国通貨として捉えるのが賢明で、スワップを無理に取りに行く必要はないでしょう。


カナダドルの値動きの特徴「ファンダメンタルと季節性から」

カナダドルのレートはWTIの原油に相関すると言われています。ここでは、WTIの原油相場の需要期が夏という事は押さえておきましょう。年明けから8月頃まで上がり続け、その後下がり始める、というリズムです。原油価格は中東情勢にも影響を受けますので、中東情勢がカナダドルの値動きの遠因にもなりえますが、タイムラグがあります。

それ以外は、他の通貨ペアにも共通する季節要因があります。これは主に欧米のディーラーやヘッジファンド(らしき人々)の仕事のサイクルに関係します。一年を通じて、3月くらいまではカナダドル円のペアは上昇する年が多く、その頃から少しずつ出てくる日経系企業の円転で、少し下がります。また、相場格言の「5月に売れ」のとおり、5月のはじめくらいに下がる年も多いです。欧米の4月はイースター休暇、日本ではゴールデンウィークがあります。その頃、連休で流動性が落ちているのを狙ってヘッジファンドが仕掛けるのでは? ともいわれますが、真相はわかりません。

お盆も日本は休んでいるので狙われやすいという噂も消えません。もちろんこれらは、毎年必ず同じというわけではありません。そして夏から秋以降、年末にかけて持ち直していくようなリズムを持っています。また、欧米の金融機関などが長期休暇を取る12月の流動性は下がります。クリスマスほどではないものの、7月1日の「カナダ・デイ」をはじめ、祝祭日には流動性が若干下がります。

それらを例外とすれば、テクニカル面からみても、一般的なサポートやレジスタンスに対して素直に反応します。クロス円ではあるものの、年金基金などの実需の動きで思わぬダマシが発生するドル円とは違って自然の力に逆らわない印象です。

一日を通しては、カナダそのものの経済指標と共に、米国の指標発表時に大きく動く事があります。また、アジアや欧州の市場よりもニューヨーク市場のオープンとクローズ時に動きやすいので、一日のうちではその二点に注意が必要です。


カナダドルの値動きの特徴からみた戦略のヒント

流動性についてですが、取引高がほぼオーストラリアドルと同じで、あるようなないような、というのが正直なところです。ユーロやポンド、ましてドルほどの流動性はありません。上下動はありますが、通貨危機とまではいきにくく、不安の少ない通貨と言えるでしょう。

しかし、スワップ狙いのホールドには食指が動かないと思います。では、時間軸の短いトレードを考えてみましょう。まず、1~3か月のスイングトレードでは、好きなテクニカル指標で買いも売りもエントリーして良いと思います。その際、カナダドル円の通貨ペアなら、米ドル円を先にチェックしておきましょう。ちなみに、一旦材料が出ると大幅に売られたりしますので、資源国だという認識を忘れると危険です。重要な指標発表が控えている時は、損切りの範囲を狭くしたり、枚数を減らしたりしてリスク管理をしましょう。デイトレードやスキャルの方は、経済指標を見てトレードすると思いますが、やはりカナダの指標と共に米国の経済指標も押さえておいた方が良いでしょう。


いったん掴むとわかりやすいカナダドルのポイント一覧

①カナダは先進国である

②カナダドルは資源国通貨である

③WTI原油価格と相関する事が多い

④ドル円ほどはヘッジファンドに狙われにくいらしい

⑤ドル円ほどは需給を考えなくていいらしい

⑥チャートに比較的素直である­=やりやすい

などです。日本では誰もやってなさそうではありますが、トレードはしやすいと感じています。チャレンジしてみれば意外ととっつきやすい通貨といえるでしょう。ただし、これらは筆者個人の考え方であり、トレードの成功を保証するものではありません。

photo credit: Instant Vantage via photopin cc