介護が必要な状態になった場合、心配なのはお金のことです。公的介護保険では、要介護度に応じた介護サービスを受けられますが、1~2割の自己負担が必要で、1ヵ月あたりの支給限度額も決められています。要介護状態が長く続いて、継続的にサービスを受けるとなると、家計への影響は大きくなるでしょう。民間の介護保険で家計へのダメージを避けるには、どのように加入を検討すればいいのでしょうか。

様々な種類がある保険会社の介護保険

(写真= Edw/Shutterstock.com)
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民間の保険会社で取扱う介護保障には、主契約として契約する「介護保険」と、特約として死亡保険などに付加する「介護特約」があります。

主契約として契約する介護保険は、所定の要介護状態になったときに「一時金」または「介護年金」として受け取れる保険です。なかには、一時金と年金の両方を受け取れる介護保険もあります。いずれも一生涯の保障が続く「終身型」と、一定期間の保障のみ保障される「定期型」があります。

もしも契約期間中に要介護状態にならずに死亡した場合、死亡保険金(給付金)が支払われるのが一般的です。ただし保険の種類によっては、死亡保険金が介護保険金と同額、あるいは介護保険金額より小額となります。

特約タイプは、終身保険や医療保険、がん保険などに介護保障を付加するものです。

どのような症状で給付金がもらえるの?

所定の要介護状態になったときに保険金が支払われる介護保険ですが、「所定の要介護状態」は保険会社によって異なります。大きく分けると2つの基準に分かれます。

一つめは、公的介護保険の認定基準に連動させた「公的介護保険連動型」です。公的介護保険では介護の必要度に応じて「要支援1~要支援2」「要介護1~要介護5」までの7段階に分けられ、この認定基準に連動し、例えば要介護1以上になると介護保険金が支払いされるというのが連動型です。

ちなみに要介護1とは生活の一部について部分的に介護を必要とする状態を指します。立ち上がりや歩行などに不安定さが見られることが多いとされています。問題行動や理解の低下も見られることがあるようです。

しかし、公的介護保険のどの段階から支払されるかは保険会社ごとに異なります。要介護1で支払われるところもあれば、要介護2以上からというところもあるのです。

二つめは、保険会社が独自に支払い条件を設定する「独自基準型」です。認知症や日常生活動作において介護が必要とされる状態が一定期間継続したことを医師が診断することによって支払うなど、保険会社それぞれに規定を設けています。加入する前にしっかり確認しておきましょう。

自分に合った介護保険とは?

介護保険の場合は、どのような症状になるのか想像するのが難しく、商品選びも簡単ではありません。

そこで家計へのダメージ具合を考えて保険を選ぶのも一つの方法です。例えば、国の制度でカバーしきれない部分を補てんできるような介護保険に加入する方法です。介護保険の自己負担分が払えるかどうか心配なら、介護年金が支払われるような保険がいいでしょう。介護一時金や年金をもらえても、その後の保険料を払い続けることに不安があるなら、要介護1で払込免除になる保険などがおすすめです。

なお、家計へのダメージは保険料の払い込み段階でも考えられます。子どもの教育費やマイホーム資金、万一の死亡保障など、優先すべき負担がある現役世代にとって、介護保険に加入して保険料を払うことで家計への負担増に繋がります。保険料を抑えながら介護保障を備えるためには、主契約としての介護保険よりも医療保険に介護保障特約が付いた商品に加入するのがいいかもしれません。

国の制度利用と保険会社の介護保険で安心の老後を

要介護状態になると私生活に支障がでるようになりますが、公的介護保険の介護サポートと民間保険の介護保険をあわせることで、介護への不安を和らげることはできそうです。

最近では、一時金や年金での給付サポートにプラスして、保険料払込免除など、さまざまな保険商品が出ています。気になる人は、保険の専門家に問い合わせしてみましょう。

(提供: 保険見直しonline

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