世界のお金持ちの上位1%が、世界中の資産の48%を所有しているといわれる。そのトップ1%がホリデーに求める要素は何だろうか。以前は「高級感」や「ぜい贅沢」だったが、今はむしろ「人とは違うびっくりするような経験」 になりつつあるようだ。

これは高級旅行代理業者の調査話から分わかったもの。

お金持ちを顧客ターゲットにしぼった「高級ホリデー・アドバイザー」なる職業の需要が高まっているほか、高級ホリデーの代表格であるクルーズ旅行の需要も過去10年で62%増、2015年のクルーズ産業の総生産価値は1170億ドル(約13兆1625億円/クルーズライン・インターナショナル・アソシエーション調査 )だったという。

希少な経験ほど高級度が増す?

「高級ホリデー」というと高級リゾートやクルーズ旅行などが思い浮かぶが、お金持ちになればなるほど、「通常の高級ホリデーは満喫し尽くした」と飽食気味のようだ。

そこで特にトップ1%から注目を集めているのが、「感銘を受けるホリデー」である。お金に糸目をつけずに「高級ホリデー」という名の物質を買うのではなく、深く心に残る体験を買うわけだ。誰も訪れたことない場所・誰もしたことのないことなど、希少体験ほど高級度が増すといったところだろうか。

高級旅行代理業者Virtuoso の子会社でアジア地域への高級ホリデーを専門とするリモート・ランズのキャサリン・ヒールCEOは、「エベレストのベースキャンプにヘリコプターで行った」といったパーティーの席でのネタに使えそうな体験を、トップ1%が求めていると語った。

また近年の傾向として、これらの層にとっては「規模が小さいほど高級感が増す」そうだ。例えば近代的な大型空港よりもプライベートのエアターミナル、世界中に名高い高級ホテルよりもこじんまりとしたブティック・ホテルなどが好まれるという。

高級ホリデー・アドバイザーが重宝されている