厚生労働省では、2025年には後期高齢者が2,000万人を超え、認知症や医療ニーズを併せ持つ要介護高齢者が大幅に増加すると予測をしています。

現在、40歳以上の人は必ず介護保険料を納めなくてはならないのですが、はたして自分に介護が必要なときに必要な金額を受け取ることができるのでしょうか。公的な介護保険制度に不安を感じて、民間の保険会社が販売する介護保険を検討する人が増えているようです。

介護保険の特徴、どのような時に使えるか

(写真=alice-photo/Shutterstock.com)
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生命保険会社で販売する介護保険は、保障期間や受け取り方、さらに介護保険として受け取るための基準がさまざまなので、比較検討して加入することをおすすめします。

例えば、保険期間に関しては「終身タイプ」と「定期タイプ」があります。いつ介護が必要になるか予測ができないため、終身タイプが主流です。しかし、高齢になってから加入しようとすると保険料が高額となるので、その場合には定期タイプを検討する場合が多いようです。

保険金の受け取り方については、「一時金タイプ」や「年金タイプ」、「一時金・年金併給タイプ」などがあります。契約した内容と受け取る時点での状況が異なる可能性もあることから、受け取り方を変更できる商品もあります。

注意すべき点は、支払い基準です。介護費用が必要であると認定される基準は「公的な基準」と「保険会社による基準」が存在します。保険会社によっては要介護4以上という比較的厳しい条件のものから、要介護1から受給できるものまでがあり、支払基準も公的なものと連動している商品もあれば、自社基準のみの商品もあります。

万が一介護が必要になった場合にもっとも有効的に活用できる保険商品を選ぶ必要があります。

医療保険の特徴、どのような時に使えるか

医療保険は、病気やケガなどで治療が必要な場合の入院費用や通院費用の補てんをするための保険です。医療保険に加入することによって、健康保険ではカバーできない治療費や差額ベッド代、入院中の食事代などの備えをすることができます。

また、最近では医学の進歩によって健康保険適用外である先進医療の治療費をカバーできる保険が販売されており、この特約を含む医療保険商品に注目が集まっています。

医療保険については「終身タイプ」と「定期タイプ」があり、それぞれのメリットを活かした契約をすることが必要です。また、「掛け捨て型」と「貯蓄型(生存給付金タイプなど)」に分類することができ、ニーズに合わせた選択をすることができます。

医療保険はあくまで病気やケガを対象としており、介護が必要になったときの費用を備えるためには介護保険が必要となります。

両方の保険に入った時のメリットとデメリット

先にお伝えしたように、介護に関する費用を備えるためには「介護保険」、万が一の病気やケガによる入院や通院に備えるためには「医療保険」と、目的を分けて保険加入すべきです。ただし、別々の保険商品に加入するとなると、保険料負担が大きくなってしまうことがデメリットではあります。最近では、双方の目的を融合した保険も販売されるようになり、注目を集めつつあります。

例えば、医療保険に介護保険を付加することで、公的介護保険制度に定める要介護2以上の状態に該当していると認定された場合、介護保障として一時金または年金として保険金を受け取ることができるなどの場合があります。ただし、この場合の保険料控除は、一定の条件を満たす場合に「介護医療保険料控除」となります。具体的には、死亡保険金と介護保険金のような生存給付金が同額である場合は介護保険料控除ではなく、一般生命保険料控除の対象となります。

その点、介護保険と医療保険それぞれに加入する場合には、一般生命保険料控除と介護医療保険料控除の2つの控除を受けることができるのがメリットといえます。

介護、病気どちらにも備えられるようにしておこう

2010年の税制改正によって、保険料控除が「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2つに加えて、「介護医療保険料控除」が制定されました。これからの時代、自己準備でこの3つの目的に備える必要があるからこそ、保険料控除が認められているともいえます。

保険料控除を最大限に利用しつつ、老後の生活資金準備とあわせて、介護費用の備えも同時にしていくのが望ましいでしょう。

(提供: 保険見直しonline

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