三連休明けの7月18日、関東南部はゲリラ豪雨にみまわれ、豊島区や北区など都内では500円硬貨を超える大きさの雹(ひょう)が降り、SNSでは被害画像が次々とアップされた。もし家や車が壊れたり、自分がけがしたりした場合、保険の補償は適用されるだろうか。
建物は火災保険、自動車は自動車保険……
保険の種類は多岐に渡り、損害保険、生命保険ではさまざまなケースで補償または保障を受けることができる。雹(ひょう)が降ってきた場合に考えられる損害と、それに関わる保険には以下のようなものがある。
建物…雹の衝撃で窓ガラスが割れ、室内の家具が使用できなくなる。→火災保険
火災保険は、建物と家財に対して補償を付けるものだが、持ち家であれば建物と家財それぞれの補償が付いた火災保険に加入していることが多い。賃貸の場合、建物の火災保険は大家が加入し、家財に関する火災保険は入居者が加入しているはずだ。
窓ガラスに関しては建物に関する補償となり、室内の家具は家財に関する補償を受けられる。持ち家であれば保険会社に連絡後、修理や購入の手配をおこなう。賃貸であれば、まずは管理会社や大家などへ連絡し、その後保険会社へ連絡が必要だ。窓ガラスの修理にあたっては応急措置をおこない、管理会社や大家の指示を待つことになるだろう。
自動車…走行中の自動車の車体に雹によって傷がついた→自動車保険
この場合、雹は「飛来中の他物」となり、自動車保険に車両保険が付いていれば適用条件によるが補償を受けられる。
車両保険の適用条件には保険会社によって名称は異なるが、大別すると2つだ。
・一般条件、一般車両、ワイド、スーパーワイドなどの名称で広い補償範囲とするもの
・車対車+A、エコノミー、限定車両など補償範囲を限定するもの
これらの車両保険では、雹は補償範囲に含まれる。車対車+Aの「A」はアクシデントの意味で、雹をはじめ飛来中や落下中の他物による損害は補償の範囲内。
補償されないのは「車対車」のみの記載となっているもので、純粋に自動車同士の事故のみとする補償範囲の車両保険だ。気になる人は保険証券やWebサイトで確認してみよう。
ただ車両保険を利用した場合は翌年の等級は1等級下がり、事故有係数が適用となる。保険料が上がることになるので気をつけたい。雹による損害が車体全体に及び、修理代が車両保険金額を上回ると全損扱いとなる。その場合には免責金額は不要だ。そこまでの損害ではない場合には、予め設定した免責金額分は自己負担となる。仮に修理費が7万円で免責金額が5万円である場合には、差額の2万円と翌年の保険料を比較してみなければならない。
自転車…自転車同士の接触によるケガ→自転車保険
自転車保険は主に自分の身体に関するケガなどへの補償、傷害保険が主体となっている。そこに相手の身体や物への損害賠償が特約としてついている形だ。自転車同士の事故で自身にケガがあり、通院した日数に通院保険金額を乗じたものが補償される。事故発生日を含めた180日以内、かつ30日分までなど限度がある。
相手にケガを負わせてしまった場合や、自転車など相手のものを壊してしまった場合は、賠償責任に関する特約が付いているタイプで加入していれば補償される。