山手線のダサい駅ランキングのトップ5にランクされる「西日暮里」。東京都荒川区で下町の雰囲気を残しながら、実は交通の要地でもある。隣の日暮里駅は再開発で高層ビルが立ち雰囲気が一変した。新たに始動したのが西日暮里再開発のプロジェクトだ。西日暮里はどのように変わろうとしているのだろうか?

山手線のダサい駅ランキング5位

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(写真=PIXTA)

日本テレビ系の『月曜から夜ふかし』という人気番組で、2016年2月「山手線のダサい駅ランキングのトップ5」が特集された。1位は鶯谷、以下、新大久保、巣鴨、田端と続き、5位に西日暮里がランクされた。5位というのがまた地味な位置だ。

そんな地味な駅でありながら実は交通の要地である。東京メトロの千代田線、JR東日本の山手線、東京都交通局の日暮里・舎人ライナーの3駅が集中している。JR山手線の西日暮里駅は15年度のJR東日本のデータでは一日平均乗車人数は9万8681人と10万人近い人数が利用し、JR東の管轄内ではベスト42にランクされる。42位というのもまた微妙な位置であるが、トップの新宿駅は76万人、42位と言うと浦和、八王子、川口、巣鴨、原宿、代々木より一日平均乗車人数では上に位置する。

現在は核となる駅ビルもなく、いきなり商店街、いきなり繁華街というイメージ。居酒屋が多く、駅から5秒で飲み屋に入れる「飲んべえ」には優しい街。また、東大合格ランキング36年連続首位で、17年も162名が東大に送り込んだ開成高等学校と開成中学高が西口徒歩1分のところにある街としても知られている。周辺には昔からの繊維問屋街があり、アパレル関係やファッション関係の若者が賑わい、駅南側には神社が多く下町の古き良さを持った街でもある。再開発のポテンシャルは高そうだ。

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残念な日暮里再開発

山手線で隣の駅の日暮里駅前の再開発は07年から09年にかけて行われた。駅前にステーションガーデンタワー(40階)、ステーションプラザタワー(36階)、サンマークシティ日暮里ステーションポートタワー(25階)の3棟の高層ビルが建って眺望は一転した。ただこの再開発は、地元の人には残念な再開発と言われているという。せっかく駅前の一等地でありながら、3棟の高層ビルは集合住宅がメインで、オフィスやショッピング用途ではなく店舗エリアも統一感があるものではなかったためだ。日暮里で一番再開発してほしかった「駅周辺のアクセスの悪さ」を改善することはなかった。

西日暮里再開発は期待感が高まる

西日暮里再開発の事業計画の概要が今年4月に発表された。JR西日暮里駅の北東側でJRの駅と日暮里・舎人ライナーの駅に囲まれたエリアで区域面積は約2.3ヘクタール。東京ドームの約半分位のスペースだ。とんでもなく広いスペースではないが、容積率を引き上げることで全体の延べ床面積は約15万4000平方メートルから16万2000平方メートル、高さは最高で約170メートルから180メートルとなる複合ビルを含めた再開発。今年オープンで話題になったGINZA SIXが1.4ヘクタール、延床面積が14万7000平方メートル。延床面積では同じくらいの規模になる。日暮里のステーションガーデンタワーが153メートルで40階建てなのでそれを上回る高層ビルになる計画だ。18年度に都市計画決定、21年度着工、25年度の完成を目指している。

エリアの北側に住居棟と公益サービスなどの機能が入った高層ビルを配置し、南側には文化ホール、イベントホール、ギャラリーなどの文化スペースとして中層の建物を配置する。防災スペースとして活用できる広場やJRと日暮里・舎人ライナーのアクセスをよくするためのペデストリアンデッキの整備も計画している。 日暮里再開発で問題点だったところを改善した計画のようで今後の変貌が楽しみだ。(ZUU online編集部)

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