7月18日、住宅金融支援機構は「2016年度 民間住宅ローン利用者の実態調査」(民間住宅ローン利用者編 第2回)の結果を発表した。住宅ローン利用者において、「変動型」の利用者が微減となる一方、「全期間固定型」の利用者が増加する等、将来の金利上昇を予想する人が増えているようだ。また、年収によって金利タイプの選択傾向に違いがある事も示唆している。
「全期間固定型」の利用者が増加、金利は底であるの見方が多数
同調査は2016年10月~2017年3月にフラット35を含む住宅ローンの借入れを行った人を対象にインターネットで行われた。調査時期は2017年4月であり、1500人から有効回答を
得た。
住宅ローンの金利タイプ構成比の調査では、「変動型」が半年前の49.2%から47.9%、「固定期間選択型」が36.9%から35.1%とそれぞれ微減する中、「全期間固定型」が13.9%から17.0%へ増加した。また、「固定期間選択型」においても、10年以上を選択する割合が66.6%から75.6%と上昇しており、長い期間金利を固定させた方が有利であると考える傾向が強まっている事が伺える。
今後1年間の住宅ローン金利見通しについては、全体の37.5%が「現状よりも上昇する」と回答し、前回調査時の25.4%から金利上昇を見込む人が大きく増える結果となった。しかし、全体の51.9%は「ほとんど変わらない」と回答しており、前回の59.7%からは減少したものの、半数以上の人は当面金利に変動はないと見ている。「現状よりも更に低下する」と見る人は、2.8%と前回の6.9%から更に低下している。
住宅支援金融機構の長期固定住宅ローン「フラット35」の適用金利は、主力の借入期間21~35年(融資率9割以下)で2016年8月に過去最低となる0.9%を付けた。足下では7月の同期間の適用金利が1.09%と最低水準は上回っているが、過去の推移で比較すると非常に低金利の水準である。この水準を金利の底であると考える住宅ローン利用者が増加していると言える。