「お金をふやす、働かせるには投資が大切」ということを理解したとしても、先立つものがなければ始められません。最近、中国のIT企業ファーウェイ(Huawei)が、日本に拠点を設立するにあたり、新卒社員の初任給として40万円を提示したことで、大きな話題を呼びました。
一方で厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によれば、日本の平均初任給は修士卒であっても23万円程度です。多くの日本企業は長期的な雇用を前提とする代わりに、若い頃の給与を低く抑えています。そのため、投資がしたくても日々の生活にかかる支出でぎりぎり……という若い世代が多いのではないでしょうか。
20代女性の8.7%しか投資経験がない
金融庁が2015年に実施した調査によると、20~40代の回答者のうち、「投資経験者」が27.0%、「投資関心層」は21.3%で、過半数は投資に無関心です。特に、20代男性は「投資経験者」が21.9%、20代女性にいたっては8.7%しかいません。
この調査では、保有金融資産が少ないほど「資金不足」を理由に投資をしない人が多く、「いつでも使えるお金として確保しておきたい金融資産」を投資資金にあてている人が多いことが指摘されています。
働き始めてから年数が浅く、給与や貯蓄額が少ないと考えられる若い世代ほど、投資から遠い位置にあると考えられます。
まずは家計の「見える化」で、貯蓄を始めよう
前出の調査では、「若年層を中心とした個人に投資を促すための必要な施策」として、「貯蓄習慣が身についていない」「マネープランを考えていない」という課題を指摘しています。この背景には、若年層の給与が低く抑えられていることに加え、子どもの頃からの金融教育が十分になされていないため、「お金のことを考えるのはいけないこと」という文化があると考えられます。
また、バブル期に絵画、不動産投資などで失敗した上の世代の背中を見て育ったことで、「投資=怖い」というイメージもあるのでしょう。お金が貯められないという人はまず、投資を考える前に家計の可視化から始めてみましょう。
最近は、買い物したレシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、家計簿がつけられるアプリもあります。お金の動きを見える化するだけで、毎月の必要経費はいくらで、どこが余剰なのかが把握でき、貯蓄しやすくなります。
また、実際に貯蓄を始めるなら、利息が限りなくゼロに近い普通預金よりも、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」や「NISA(少額投資非課税制度)」など税控除がある制度を上手く活用しましょう。
「融資」を積極利用しよう
貯蓄の始め方は分かったものの、月々のほんのわずかな貯蓄額から、投資資金を捻出するのは簡単ではありませんし、貯蓄が十分に貯まるのを待っていたら、いつまでたっても投資が始められません。そこで、利用したいのが「融資」です。
融資とは、銀行などでローンを組み、資金を借り入れることです。「借金=悪」というイメージがあるかもしれませんが、クレジットカードや自動車のローンも同じ仕組みです。
金融機関からお金を借り入れるには、「与信」といっていくつかの融資基準を満たす必要があります。ただ、投資用不動産を購入する場合は、不動産物件という現物の資産があることに加え、「家賃収入」という返済のための原資もあるので、借り入れがしやすいといえます。これは、不動産投資の最大のメリットです。
「低年収の自分には、不動産投資なんて遠い世界の話」と思うかもしれませんが、実際には年収400万円程度でも銀行からの融資を受けて、自分の買える範囲の物件から投資を始めたことで、不動産投資家として活躍している人もいます。
大切なのは「自分にはムリ」とあきらめてしまうのではなく、自分が活用できるリソースに目を向けて、最大限のパフォーマンスを得られるように工夫することなのです。(提供: Incomepress )
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