旅行会社にツアーを申し込むと、海外旅行傷害保険に入るかどうかを聞かれる。クレジットカードに付帯しているからと加入しない人いるが、クレジットカードの海外旅行傷害保険では不十分な場合があることをご存じだろうか。掛け捨ての海外旅行保険とカード付帯の保険では何が違うのか、検証する。

海外旅行に保険は必須

海外旅行保険,クレジットカード
(写真=PIXTA)

海外旅行傷害保険とは、海外旅行中のトラブルにまつわる補償をひとまとめにしたものだ。旅行中のケガや病気の治療費、身の回り品の盗難や破損、トラブルの際に家族が現地に駆け付けるための渡航費など、通常の傷害保険とは異なる補償が受けられる。

海外では日本で生活するよりもはるかに高いトラブルのリスクがあり、治療費も高い。金銭的損失やいざという時のサポートデスクを得るためにも、保険は必須と言える。クレジットカード付帯のものがあれば追加の保険料を支払わなくて済むが、補償内容が十分であるかどうかは出発前に必ず確認したい。

海外旅行に必要な補償

海外旅行傷害保険の補償の内訳をじっくり見たことのある人はいるだろうか。旅行保険と言っても内容はさまざまだ。主な補償内容は以下のようになっている。

・傷害死亡・後遺障害(死亡・重度障害)
・治療費用・救援費用(傷害や疾病の治療費用、家族が現地に駆け付ける救援者費用など)
・携行品損害(持ち物の盗難、破損により生じた損害の補償)
・個人損害賠償責任(他人の身体や財産に損害を与えた場合)
・旅行事故緊急費用(航空機遅延費用、手荷物遅延費用など)

中でも重要なのが「治療費用・救援費用」、「携行品損害」だ。ジェイアイ傷害火災保険が2015年に行った調査によると、海外旅行傷害保険で保険金の支払いが多いのはこの2つで、全体の81.5%を占める。この2つがしっかりしているかどうかが、クレジットカード付帯の保険で問題がないか判断するカギだ。

クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険の中には、死亡保障は1000万円と高額なのに対し、治療費や携帯品については補償されないものがけっこうある。「海外旅行保険1000万円付帯!」と書いてあっても、何でもかんでも保険金が支払われるわけではないのだ。

掛け捨ての海外旅行保険は安価で手厚い

これから旅行にお金がかかるのに保険にあまり費用をかけたくないというのは本音だろうが、保険期間が旅行中だけの掛け捨ての保険は保険料も安く補償も手厚い。5日ほどの海外旅行なら1人あたり千円代で済む。これで傷害死亡・後遺障害1000万円、治療費1000万円、救援者支援1000万円、携帯品損害30万円、個人賠償責任1億円が付いてくる。また、旅行キャンセル費用の補償、年齢や利用回数による割引、弁護士費用、テロ等対策費用など、旅行にまつわる不安を解消するオプションが充実している。

クレジットカードの場合、治療費はせいぜい上限200万円である。携帯品損害は10万円や20万円がやっとだ。どちらも付いていないカードも珍しくない。その代わり死亡保障だけは大きく見せてある。年会費が高いアメックスカードですら、掛け捨て海外旅行保険の補償金額にはまったくかなわない。海外では日本の健康保険が効かないため治療費がかなり高額になり、肺炎で5日間入院しただけで400万円請求されることもある。保険料がかからないというだけで治療費が十分でない付帯保険で安心するのは危険だ。

クレジットカードの海外旅行保険の注意点

補償金額以外にも、クレジットカードの海外旅行保険には注意すべき点がある。

・自動付帯か利用付帯か
クレジットカードの海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」がある。自動付帯であればカード会員は無条件で海外旅行保険の対象となるが、手動付帯の場合は旅行代金をそのカードで支払わない限り対象にならない。最近では自動付帯のカードが増えてきたが、年会費無料のカードの中には利用付帯のものがまだまだ多い。利用付帯なのに「カードを持っているから大丈夫」と誤解していないか注意しよう。

・キャッシュレスサービスがあるか
掛け捨ての海外旅行保険にはキャッシュレス・メディカルサービスが付いているのが一般的だ。キャッシュレス医療とは、現地の病院で旅行保険の保険証券を提示するだけで診療を受けることができるサービスである。これがないといったん高額な医療費を現金で支払わなくてはならない。使い勝手を考えると不可欠なサービスに思える。しかしクレジットカードの海外旅行保険にはキャッシュレスサービスが付いていないケースがあり、付いていても提携病院の数が少ないなど利便性に欠けることが多い。

こんな場合はクレジットカード付帯保険で十分

繰り返すが、海外旅行傷害保険に必要なのは、「治療費用・救援費用」、「携行品損害」だ。治療費はできれば1,000万まで付いていた方が良い。携行品損害は持ち物にもよるが、30万円は必要だろう。

なかなかそこまでの補償が付いたクレジットカード付帯保険はないが、複数枚持っていれば話は別だ。なぜなら、クレジットカードの補償額は合算が可能なのである。治療費の上限が200万円しかないカードでも、5枚持っていれば掛け捨ての保険と同等になる。しかも保険料はかからない。

あとは自動付帯であることとキャッシュレスで診療を受けられることが確認できれば、新たに保険に入る必要はないだろう。掛け捨ての海外旅行保険は前日や当日に申し込み可能なので、出発までにしっかり確認しておきたい。(ZUU online編集部)

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