投資信託は今や、6,000本を超える数となっています。今まで預金中心で資産を形成していた人にとっては、何を基準に選べばいいのか途方に暮れる規模となりました。知識のある人でも、この商品数の中から一つずつ吟味して選び出すことは至難の業です。

そうなると、「人気ランキング」や「売れ筋トップ10」などの情報に頼りがちで、実際、上位から検討して投資信託を選んだことがある人も多いのではないでしょうか。

投資先を選ぶときに、運用実績を見るのはもちろん大切ですが、意外と商品の「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」などは見落としがちなポイントです。予想可能なコストを理解しておくことで、手数料貧乏というリスクを最小限に抑えましょう。

投信コスト“最初の一歩”は「販売手数料」、ノーロード商品も

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(写真=graja/Shutterstock.com)

投資信託を購入するにあたり「販売手数料」が必要です。以前は、投資金額に対して2~3%が相場でしたが、最近は“ノーロード”と言われる販売手数料ゼロの商品も数多く出回るようになりました。実際に、SBI証券の「投資信託パワーサーチ」で全商品2,486本からノーロード商品を抽出すると、1,133本と半数近くに迫る勢いです(※2017年7月19日時点)。

また、購入したくなるような魅力的な投資信託が見つかった場合、探していた証券会社では販売手数料が必要であっても、別の証券会社ではそれより手数料が低く設定されていたり、場合によってはノーロード投信として取り扱っていたりすることもあります。ノーロード商品にこだわって探せば、購入時に必ず発生するコストを確実に削減することができます。

じわじわと影響するランニングコスト「信託報酬」

「信託報酬」は、購入した投資信託を有している間ずっと発生する管理費用です。これも販売手数料と同様に投資信託ごとに異なり、同じ投資信託の商品でも証券会社によって差が出ます。

最近の傾向として信託報酬は1%前後が多く、SBI証券の「投資信託パワーサーチ」で取り扱い投資信託の信託報酬額(税抜き)を見ると、全商品2,486本のうち1.08%以下は539本、0.54%以下に絞り込んでも138本です。逆に信託報酬が2.16%超の商品は33本とわずかです。(※2017年7月19日時点)

販売手数料は購入時にかかるコストですが、信託報酬は毎日発生するランニングコストなので、わずかな差であっても資産額にじわじわと影響を及ぼします。購入するときは必ずチェックしたいコストです。

信託財産留保額

投資信託を解約するときに発生するコストが「信託財産留保額」です。販売手数料や信託報酬とは異なり、証券会社などの運用会社や販売会社の利益にはならず、ほかの投資家のために投資信託の中に留め置くペナルティーの意味合いがあります。

例えば0.54%と設定されている場合、100万円の投資信託に対して5,400円のコストが信託財産留保額として発生します。徴収された5,400円は、解約した投資信託の基準価額や分配金として使われます。

投資信託を選ぶ上では、成長性や安定性から検討することも大切ですが、購入・運用・解約にかかるコストには何があるか、いくら見込まれるかを把握しておきましょう。(提供: IFAオンライン

>>SBI証券の取扱商品に関するリスク情報等はこちら

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