『怪盗グルー』シリーズ最新作『怪盗グルーのミニオン大脱走』が7月21日公開され、初日を含む3日間の動員数は60万5748人、興収は7億5101万円で22日~23日の映画ランキング首位を飾る好調なスタートをきった。

その週の2位以下は、『銀魂』(公開2週目)、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(同4週目)、『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』(同2週目)、『カーズ/クロスロード』(同2週目)である。多くの小・中学校が夏休みに入ったということもあり、主に子供をターゲットにした作品が名を連ねている印象だ。

この数字を見れば、日本も他の国と変わらず子供が映画を楽しめる国のように感じるが、残念ながらそれは違う。夏休みや冬休みといった長期休みを狙って上映される作品がある時は別として、日本の映画館は小さい子供が入り込めないクローズドな雰囲気がある。それは本当にいいことなのだろうか--。

今日は映画制作会社で長く働いた経験を持ち、現在はマレーシアに住む筆者が、当地と比較しながら日本の映画事情を考えたいと思う。

チケットの価格--他国と比較しても割高

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(写真=Serhii Bobyk/Shutterstock.com、※写真はイメージです)

日本の映画チケットの料金は他国と比較しても割高だ。NationMasterの調べによれば、世界5位(なお1位はサウジアラビアの60ドル)。一般で1800円、前売り券、レディースデー割引、深夜料金、映画の日の割引を使っても1000円程度にしかならない。

筆者はアメリカ、カナダ、オーストラリア、マレーシアを渡り歩いてきたが、アメリカなら約6ドル(約670円)、カナダが約13ドル(約1160円)、オーストラリアが約13ドル(約1150円)、マレーシアに至っては約10リンギ(260円)と、マクドナルドのセットより安いのだ。

チケット価格に比例するモラルとマナー