モノの企業を目指すのか!?
さて、ここに来てグーグルは次々と新しいプロダクトをリリースしたり、買収を試みています。例えば、メガネや時計型など身につける系のデバイスであるウェアラブルデバイスの領域に進出してグーグルグラスの発売を開始したり、ロボット開発を手がける企業を7社も買収してロボット産業への進出も図っています。さらには、世界中の自動車メーカーが参入を試みる自動運転車の開発も手がけたり、エネルギー事業や医療事業など多角的に様々なプロダクトに取り組んでいます。
OSの開発などソフトウェア部分を担っていたグーグルが、自社でプロダクトを開発して提供するモノの企業への転換を図っているようにも見えますが、実際のところはどうなのでしょうか。おそらくは検索事業を始めた時と同じように、収益の柱となるビジネスモデルを考える前に、巨大市場となり得る産業へ素早く進出を図っているものと思われます。自動運転車については自動運転のOSの開発とメーカーへの提供が目的かもしれませんが、ウェアラブルデバイスやロボット開発についてはハードウェア自体の開発も手がけています。自社が培ったテクノロジー、あるいは買収した企業の技術を活用して、ここから数年は大きな投資フェイズとなるでしょう。
次々と大型買収を重ねて多角的な経営をしているように見えるグーグル。今後はOS等のソフトウェア以外のモノの産業で成功出来るかが注目したいポイントですが、実はスマートフォン時代にもメーカーと協力して自社ブランドとなる「Google Nexus(グーグルネクサス)」という機種を発売したものの、不発に終わっています。フェイスブックも同様に、「FacebookPhone(フェイスブックフォン)」を発表して失敗をしており、ソフトウェアに特化していた企業がハードウェアの領域に進出するのは至難の技と言えるでしょう。