共働き世帯が多数派になりつつあるが、夫婦で稼いでいるからと言って家計にゆとりがあるわけではない。むしろ「貯蓄はほとんどゼロ円」そんな家も少なくはない。なぜ、世帯収入の割にお金を貯めることができないのだろうか?

「貯められない」には2種類ある

夫婦,家計管理,FP相談
(写真=PIXTA)

生活のため、配偶者の収入減を補うため働きはじめた家庭では、働けど働けど貯蓄は思ったように増えないことが多い。「貯められない」のはある意味でやむを得ないことである。しかし、結婚する前からともに正社員で働き続けているような共働き世帯が罹る「貯められない病」もある。怖いのは後者の場合だ。

たとえば世帯年収が1,000万円を超しているにもかかわらず、貯蓄がほとんどないか少ない場合、貯められない原因として次のことが挙げられる。

(1) 住居費(住宅ローンや家賃)の手取り収入に占める割合が25%を超えている
(2) 子がまだ幼く、保育料や教育費などに糸目なくお金をかけている
(3) 趣味や交際費、ご褒美支出が多い(独身時代からお金の使い方が変わっていない)

(2)の保育料は期間限定だが、それ以外は根本的な見直しや準備が必要だ。「貯められない病」から回復するため(1)を最初に見直し、続いて(2)や(3)を振り返ってみよう。

そもそも家計管理の仕方に問題があるケースもあるだろう。メタボ家計になりがちな家計管理について次項にまとめておく。

俺のモノは俺のモノ……夫婦が別財布で暮らしているとメタボ家計になりがち

家計管理で問題が多いスタイルに、生活費は夫婦で管理するが「それ以外のお金は夫婦それぞれが管理する」、共働きならではの“別財布”家計管理が挙げられる。

別財布で多いのが、生活口座を別に作り、そこに夫婦が互いに生活費を入れて生活費を管理していくスタイルだ。夫婦の預金口座は互いが管理しているため、当然ながら世帯全体の金融資産残高はわからないか、自己申告制であろう。夫婦が互いに「あんなに稼いでいるから、きっと貯めているはず…」と楽観的に構えていると将来のトラブルの元だ。

別財布夫婦の問題は世帯資産がわからないことだけではない。

夫婦それぞれがプライベートで「何に」「いくら」使っているかわからず、往々にしてメタボ家計になりやすい。俺のモノは俺のモノ…と思えば、通販で趣味のものを買う、ランチなど外食代もかさみがちだ。これでは、「貯められない病」発病は避けられない。

「貯められない病」を早めに直していかないと、教育資金や老後資金が準備できず、将来教育ローンや奨学金など借金を背負ってしまう、老後破綻という最悪な結末を迎える可能性もあるだろう。

別財布夫婦がお金を貯めていくために「何をすべき?」

夫婦別財布管理を続けてきたご家庭にとって、ある日を境に夫婦の資産を“赤裸々に”明かし、口座を一元管理するのは難しいと思われる。であれば、今後の家計管理に次の2つを付け加えてはどうか?

生活費とは別に目的別に貯蓄用口座を作り、積立をはじめる

人生の三大資金である住宅資金・教育資金・老後資金は、日頃の家計やりくりで捻出できる性質のお金ではない。生活口座の共有だけでなく、将来必要な資金が間違いなく貯められるよう夫婦で話し合い、先取り貯蓄を実行したい。

いくら貯めるかは家庭による。実際にかかる金額をリサーチして決めよう。
住宅資金であれば、無料住宅雑誌で住みたいエリアの物件価格を調べ、その◎割貯めると決める。教育資金は、大学まで公立で進学した場合の授業料を貯めるなど、貯蓄額のゴールから毎月積立額を設定しよう。老後資金としては、年金受給額で足りない生活費を夫婦どちらかが95歳になるまで貯めるにはいくらかかるか…と考えてみよう。

年に一回は互いの金融資産の棚卸しをしよう

夫婦が互いの資産を監視する関係はあまりに気づまりだ。また、相続資産などなかには配偶者に見せたくないお金もあるだろうから、個人的には一律公開でなくて構わないと思う。

しかし、せめて年に1度は互いの預貯金やリスク資産の棚卸しを行い、「前年に比べて増えているか、減っているか」をまず共有してはどうだろう。
世帯収入が高いから貯められるとは限らない。むしろ筆者が相談者から受ける印象は逆である。高所得者ほど生活にかけるお金が高額になりがちで、老後の生活資金が足りるか心配になることが多い。年金生活者にボーナスも昇給もない。現役世代から身の丈に合った暮らしを身につけることが何よりの資産と言っても過言ではない。

海老原政子 ファイナンシャルプランナー
国内生保の生命保険募集人として勤務。ライフプラン全体から生活者視点・女性目線を活かしたアドバイスが好評。コラム執筆や家計相談、個人・企業向けマネープランセミナーを行う。エムプランニング代表。(AFP、住宅ローンアドバイザー)

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