韓国の子どもの幸福感は比較対象16カ国中14番目で、韓国より順位が低い国は貧困に苦しむエチオピアと大地震の余波が残るネパールだった−−。

これは児童保護団体セーブ・ザ・チルドレンとソウル大学社会福祉研究所が行なった調査で判明した。服やインターネット、携帯電話などの物質的な満足は最上位圏で、物質的には満たされているが、精神的には満たされない状況が浮き彫りになった。

塾通いでストレスが溜まり、食育もおろそかになっていると韓国中央日報は報じている。

質より予算が優先される学校給食

調査・まとめ,韓国経済,子供,幸福度
(写真=sakkarin sapu/Shutterstock.com)

韓国の学校給食は、小学校は教育庁と地方自治体の支援で無償だが、中学校と高校は給食費が必要で、食材に加えて給食従事者の人件費や食堂運営費もそこからまかなわれている。

人件費には、基本給の他、危険手当や交通補助費、時間外手当など10種類を超える各種手当と退職金や退職年金が含まれる。給食費は物価上昇に合わせて変動する。その一部は、資格手当や旧正月と秋夕に支給される名節休暇費といった各種手当の引き上げに充当される例もある。物価上昇を上回る職員の待遇改善は、食材費を圧迫している。

すべての学校給食従事者の待遇が良いわけではない。給食職員は少しでも人件費が安く済む人を選ぶ傾向があるという。資格手当や給与が高額となる経験者を避け、無資格者や未経験者を期間契約の非正規職員として採用する。正規職と非正規職、栄養士と調理員の賃金格差による葛藤があり、従事者間の諸課題は成長期の子どもへの配食に影響を与えることすらある。

学校給食問題が保護者やマスコミの非難を浴びると、教育庁は該当校の監査を実施し、給食現場の管理責任を問いただす。時には懲戒や改善の指示を出すが、学校給食の構造的な問題に目を向けることはない。

ストレスを抱える子ども達

韓国の子どもの間で広がっている童謡がある。『大人たちは知らない』という曲の「おもちゃを買い与えればそれでいいのか。かわいい服を着せればそれでいいのか」というフレーズだ。

チョロクウサン子ども財団が全国8600人の小中高生を対象に行った調査によると、教育時間を減らしてほしいという要望が1085件で最も多かったという。国際連合児童基金(ユニセフ)が29カ国を対象にした調査でも韓国の子どもは学業ストレスが大きく、セーブ・ザ・チルドレンとソウル大学社会福祉研究所の調査では、家族や友人と一緒に遊ぶ時間がない、大人が自分の話を聞かないという意見が多かった。

児童政策は「子どもがいる大人」に対する物的支援が中心だ。子どもが望んでいる勉強のストレスを減らし、家族や友人と触れ合う機会を増やす施策はない。

親は子ども達をよりブランド力のある大学に行かるため塾に通わせる。塾通いでストレスが溜まった子どもの要求する物品を買い与える。子どもの声に耳を傾ける親もいるが、自分の子が生き残るためにはやむを得ないと言い聞かせ、悪循環を断つことはない。

子が望む物を買い、塾を転々とさせることで親の役割を果たしていると考えているのだ。(佐々木和義、韓国在住CFP)

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