大多数の都市において8月の労働市場は、外気温と同じように熱い。卒業(6月)して2カ月、多くの求職者の手元にはすでに採用通知が届いている。一方、合同就職説明会では、依然として卒業生たちが各社のブースを訪問し続けている。そして今でも履歴書を送り、面接を受けている。これらの一群を“待機族”と呼ぶ。彼らは就職を急がず、卒業後の数カ月~1年の間、遊学、アルバイト、実習、将来の計画策定に充てようとしている。最新の就職事情を経済ニュースサイト「界面」が伝えた。

95后の台頭

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(写真=Bo1982/Shutterstock.com)

こうした現象を“慢就職”(スローな就職)と称している。これは就職の主力が90后(1990年代生まれ)から95后(95年以降の生まれ)に移行する中で形成された概念である。これは新しい“冷めた思考”である。自身の希望との偏差、専門領域と職種との不均衡、ネット情報の虚偽、などが多重に影響している。95后という言葉は初出かもしれない。80后(1980年代生まれ)に始まる世代の表現法が、10年刻みでは用を為さなくなった。それほど時代の変化は激しい。

北京の中央財経大学を2017年に卒業した黄さんは、焦らず3カ月かけて理想の仕事を探し当てた。彼女によると“求職黄金期”の競争は激烈だ。人気の会社には蜂の巣のように人が群がる。就活大学生にとって、仕事を得るだけなら難しくない。しかし希望の職を得るのは極めて困難だ。それは黄さんのような“重点大学”の卒業生でも変わらない。彼女は北京での生活と就活のプレッシャーに耐えられず、故郷四川省・成都での就職を選んだ。ここ数年の発展は目覚ましく、若者を引き付ける力も十分備えていた。

就職も起業もW増加の一方で