英国のバークレイズ銀行やロイズ銀行がコスト削減策の一環として、従業員のデスクに「人感ヒートセンサー(熱流計)」を設置し、従業員が机で作業している時間を測定・分析しているという。

同社は机での作業時間を正確に認識することで、「光熱費を含む省エネオフィス環境の設計に役立てる意図」だと説明しているが、同様のシステム導入を試みた新聞社では従業員などから苦情が殺到し、わずか一日で廃止になったそうだ。

机裏面に張り付いた「黒い箱」の正体は?

バークレイズ銀行が導入したのは、「Occupe Eye」 というオフィス利用率自動分析システムだ。人間の放熱を感知して動作する人感ヒートセンサーを用いて、オフィスが実際に利用されている度合いを測定し、コスト削減につなげるという発想だ。

このデバイスは机の裏面に設置された「黒い箱」であることが、同行の複数の社員の証言から明らかになっている(ブルームバーグより )。

コスト削減、省エネを意図した対策とはいえ、「四六時中黒い箱に監視されているような気がして落ち着かない」というのが、大半の従業員の本音ではないだろうか。目的はどうあれ、従業員に心理的な圧迫感を与えるのは否定出来ない。

広報部は「新システムの導入はあらかじめ従業員や総同組合に通告しており、人事部から苦情も出ていない」と主張する反面、詳細は公表していなかったと認めている。その一方で「通告された覚えはない」という従業員もいる。

年間140億円の節減を期待