筆者の息子は現在4歳で、マレーシアのローカル幼稚園に通っている。必然的に地元の子供達の誕生日会を何回か経験することになったが、日本と勝手が随分と違って驚いた。エンターテイメントであり、ホストはエンターテイナーに徹する。大きな金が動き、誕生会はこの国にとってビジネスになっているのだ。

親の個性が光るパーティーパック

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(写真=筆者)

誕生日を祝ってもらう子供の親が、祝ってくれる子供たちに対して「ありがとう」の気持ちを込めて用意する「ちょっとしたお返し」がパーティーパックだ。

筆者の周りでは知育になるものが人気だが、暑さのせいで屋外遊びを敬遠しがちな子供たちに外に出る機会を増やしてもらおうと砂場セットを用意することも。子供の成長の喜びを植物の成長に例えたといって「園芸セット」を用意した親もいた。

子供も親も楽々 誕生日会には施設を使う

豪邸に住んでいれば別だが、多くの人はコンドミニアムや大規模集合住宅の共有施設、もしくは屋内遊戯場のパーティー会場を貸し切って誕生日会を開く。筆者の周りでは誕生日会は子供を自由に遊ばせ、食事を提供するのが一般的だ。ホストはそのすべてを負担する。

カフェが併設されていればパーティーメニューをオーダーすればいいが、ない場合はケータリングを利用する。宗教的な理由でローカル食やベジタリアン食、インド料理などが並ぶが、中にはラムの丸焼き出張サービスというのもあった。

パーティー会場の選定とテーマは親の腕の見せ所だ。ある時の会場は地元消防署内だった。事前に日にちを指定しておけば、消防署の敷地でパーティーが開けるという。職員による簡単な避難説明に始まり、ユニフォーム試着、消防車で敷地内をドライブ、放水車で水遊びといったサービスが行われた。

プロのコーチ指導つきアイススケート誕生日会は、筆者の誕生日会概念を覆した。

ショッピングモールでパーティー 子供のお誕生日会は大きなビジネス

マレーシアのショッピングモールにはたいてい子供用屋内遊戯施設が入っており、その多くでパーティーが開ける。人気スポットでは2カ月前から会場を予約するらしく、親は数カ月前からゲストの人数確認や準備に追われる。

筆者の周りで人気なのは屋内トランポリン広場でのパーティーだ。そこは3時間で子供10人だと平日が530リンギ(約1万3000円)、週末だと610リンギ(約1万6000円)という設定だ。ホストはこれにケータリングとパーティーパックを用意する。ゲストはパーティーの規模に見劣りしないプレゼントを選ぶ。

幼稚園やコンドミニアムの共有施設にパフォーマーを呼ぶのも人気だ。特にシャボン玉を専門とする「バブルマン」はどのパーティーに行っても必ずといっていいほど見かける。息子の幼稚園に出入りしているバブルマンは1時間400リンギ(約1万円)かかるらしいが、多種多様のバブルで子供たちを盛り上げ、パーティーを取り仕切ってくれることを考えればそう高いともいえない。バブルマンはママ友ネットワークの口コミで広まれば、週末の公園でデモンストレーションしつつ営業をかけている場合もある。

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バブルマンはどのパーティーでも見かける(写真=筆者)

また海外の祭りで見かけるフェイスペイントや大人用にバーテンダーやバリスタの出張サービスも存在する。まるで誕生日会ビジネスだ。

手作り感はないがホストもゲストもストレスフリー

筆者はローカル主催の誕生日会で日本のように手作り感あふれるものに出会ったことがない。最初は味気なく感じたが、自分がパーティーを開くことを考えると、この外注まかせのパーティーが非常に気楽で心地いいことが分かった。

半年後には5歳の誕生日を控える息子は、今から楽しそうにパーティーの企画を立てている。これまで散々楽しませてもらった筆者は、マレーシアの誕生日ビジネスの波に喜んでのまれてみようと思う。(中川真知子、フリーライター)

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