8月17日、2017年度の都道府県別最低賃金の改定額の答申が出揃った。全国加重平均の最低賃金は昨年より25円高い848円となり、引き上げ額は比較可能な2002年以降で最大となった昨年と同額になる。賃上げの流れが一段と進む一方、企業からは負担増に対する反発の声も漏れる。
2年連続で過去最高額の引き上げ見通し
厚生労働省の中央最低賃金審議会は、7月27日に2017年度の最低賃金の目安を全国加重平均で25円引き上げるよう答申した。都道府県ごとに経済状況等に応じて、A~Dの4ランクに分け、26~22円の引き上げ目安額を提示していた。これを受け、各地方の最低賃金審議会が都道府県ごとの今年度の引き上げ額を決定し、各地の労働局長へ答申した。労働局長の許可を得て、10月を目処に改定される見通しである。
2017年度の全国加重平均の最低賃金は前年度から25円引き上げられ、848円となる。昨年度は2002年以降で最大の上げ幅である25円の引き上げが行われたが、今年度も同額の引き上げが行われる見通しだ。2002年度には663円であった最低賃金は引き上げの流れが続いており、昨年度は初めて800円を超える水準となっていた。
2017年度の答申額で最低賃金の高い上位5都道府県は次のようになっている。
カッコ内は2016年度の最低賃金額
4位 埼玉県 871円(845円)
4位 愛知県 871円(845円)
3位 大阪府 909円(883円)
2位 神奈川県 956円(930円)
1位 東京都 958円(932円)
最低賃金が最も高いのは東京都となり、その金額は958円となる。神奈川県が2円差でそれに続く。6位となった千葉県を含めた上位6都府県がAランクとなり、目安額通り26円の引き上げを行っている。一方最低賃金が最も低いのは、沖縄県や佐賀県等の8県で737円となる。特に九州は福岡県を除く全ての県が最低金額となっている。また、国の目安を上回る引き上げ額を答申した県は新潟県、鳥取県、宮崎県、沖縄県の4県であり、それぞれ目安を1円上回っている。