世界の大富豪ランキングで常に上位を占め、史上最も儲けた投資家であるウォーレン・バフェット氏。フォーブズが公表している2017年版の大富豪ランキングによれば、保有資産は756億ドル(約8.3兆円)。経営する上場持ち株会社のバークシャー・ハサウェイは実質投資会社で、時価総額は約431億ドル(約4.7兆円、17年7月末)と、アップル、グーグルなどに次ぐ世界6位の規模で、トヨタの2.6倍に達する。

同社の株主総会には彼の話を聞きたいがために4万人が集まり、バフェット氏と「ランチができる権利」は毎年オークションにて約3億円で落札される。ここでは投資の神様に一歩でも近づくために必読の書籍7冊を紹介しよう。

バフェット,投資術,投資手法
(画像=Webサイトより ※以下、タイトルをクリックするとAmazonへ飛びます)

(1)『 億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 』 (日本経済新聞出版ー2002/5/20) 著者:メアリー・バフェット 、 デビッド・クラーク

残念ながらバフェット氏が自ら著した本はない。メアリー・バフェット氏とデビッド・クラーク氏が書いたベストセラーが有名だ。

メアリー氏はバフェット氏の息子であるピーター氏の元夫人で、バフェット氏の元で12年間投資に携わった。

デビッド氏はバフェット氏の古くからの友人だ。99年に出版した「バフェットロジー」、01年の「バフェットロジー・ワークブック」、02年の「新・バフェットロジー」はバフェットの投資手法を紹介した本として米国でベストセラーになり、今でも人気がある。

「バフェットロジー・ワークブック」を日本語に翻訳したのがこの本だ。日本のバフェット本の中でもトップセールスを記録している。バフェット氏の投資哲学には「振れ」がなく一貫している。彼は相場師でも天才でもない。企業の本質的な価値を長期で分析し、他の人がパニックで売るような時に本質的価値があり割安になった株を長期で買うだけのシンプルな手法だ。

投資は「株価」でなく「企業」を買うのだ。「バフェットロジー・ワークブック」は米国でベストセラーの「バフェットロジー」の続編で、投資手法を紹介するとともに銘柄選択のチェックリストやワークブック形式の自習問題で理解を深める構成になっている。

(2)『 バフェットの重要投資案件20 1957-2014 』 (パンローリングー2017/5/14)  著者:イェフェイ・ルー

バフェット氏の投資を1957年から14年までの長期に渡って分析した投資本だ。1958年に投資したサンボーン・マップから、コカコーラ、IBMなどに至るまで、バフェット帝国を築く礎となったポートフォリオの核である20銘柄に投資を決めるにあたったプロセスを中心に分析している。バフェット流投資を実践している人には教科書のような本だ。同じような本はあるが、今年出版されておりデータが最新だ。

この本の狙いは、バフェット氏の投資手法を、過去を振り返るのでなく、現在の相場に当てはめることを意識していることだろう。バフェット氏をコピーする方法で現在データから銘柄を発掘し、バフェット氏のたどった道をトレースすることで50年後には大資産家になれるかもしれない。そんな夢を持つことが出来る本だ。

(3)『 バフェットからの手紙(第4版) 』(パンローリングー2016/8/5) 著者:ローレンス・カニンガム

バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイ社の株主総会には、4万人もの株主が集まる。バフェット氏の投資方針、投資の実績を聴きたいからだ。

株主に対しては、年次の決算報告書で「Share Holder Letter」が添えられている。これを日本語では通称「バフェットからの手紙」と言っている。過去のバークシャー・ハサウェイの投資実績も乗っており、16年の投資のリターンは10.7%、S&P500が12.0%上昇したのでS&P500には負けたが、同社の時価総額は23.4%増えた。65年から16年まで52年の平均リターンは19.0%とS&P500の9.7%を大幅に上回っている。

この本は、過去36年の「バフェットからの手紙」をフォローし、テーマ毎に体系的に整理したものだ。筆者はバフェット氏が長期投資家であるために、本当に知ろうと思えば、分析も長期にならざるを得ない。バフェット流投資に真剣にチャレンジしたい人には貴重な資料である。

成功例だけでなく投資の失敗例も振り返っている。「まずまずの企業をすばらしい価格で買うよりも、すばらしい企業をまずまずの価格で買うことの方がはるかに良い」という投資哲学を感じることが出来るだろう。

(4)『 株で富を築くバフェットの法則ー不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法 』(ダイヤモンドー2014/4/25) 著者:ロバート・ハグストローム

バフェット氏は割安株投資をベンジャミン・グレアム氏に学んだが、単なる割安株投資でなく成長株投資も組み合わせた独自の手法で長期に渡って成果を上げてきた。通常のファンドが多くの銘柄を組み入れるのに対し、氏のポートフォリオの銘柄数は少ない。いい銘柄を長期で保有するだけだ。本質は、感情に流されず理論的に行動し、いい企業が大きく下げた割安なときに勝負して買うことである。

普通の投資家が大損をしたリーマンショックでバフェット氏は大きく稼いだ。ショートを振ったわけではない。どうやって大暴落で稼いだか? 個人投資家にも参考になる投資方法が見えてくる。

(5)『 スノーボール ウォーレン・バフェット伝 (改訂新版、上中下) 』  (日経ビジネス人文庫ー2014/6/3))文庫 著者:アリス・シュローダー

バフェット氏は自伝は書かないと公言している。そのバフェット氏が執筆を許可し、5年もの歳月をかけて取材を通じて書かれた伝記だ。米国でベストセラーになった。バフェット流投資家を目指すならその投資方法だけでなく、心の動きを追ってみたい。

スノーボールを読むとバフェット氏の投資が世間で言うほど簡単ではないことがよく分かる。バフェット氏の投資と精神的な苦悩。バフェット氏も神でなく投資で弱気になり悩むことも多いことがわかる。投資のテクニック本でなく、バフェット氏の心理をつづった作品だ。バフェット氏でさえ大きな投資は一人では出来ない。アイディアを交える仲間が大事なこともわかる。

(6)『 賢明なる投資家 』(パンローリングー2000/9)  著者:ベンジャミン・グレアム

バフェット氏は読書家として知られる。16年の新聞記事に21の必読図書をリストアップしたことがある。そのトップにあげられたのが前述ベンジャミン・グレアム氏の『賢明なる投資家』だ。これは、バリュー投資、割安株投資の古典的な教科書とも言える本。

バフェット氏はコロンビア・ビジネス・スクールで、グレアムに学んだ。バフェット氏が尊敬する人物で、バフェット氏の投資の根底をなす投資法だ。子供にベンジャミンという名前をつけたことでも陶酔ぶりが判るだろう。この本と出会ったことについて「私の人生の中で最も幸運な瞬間だった」と言っている。

(7)『 ハーバード・ビジネス・スクールの投資の授業 』(CCCメディアハウスー2016/7/22) 著者:中澤知寛

バフェット本ではないが、バフェット氏の良さを知るためには他のカリスマ投資家や米国の投資に対する考え方についても学ぶ必要があるだろう。この本では、帰国子女で、東大法学部とハーバード・ビジネス・スクール(HBS)で学び、資産運用業務に従事した筆者が、ハーバードのスター教授3人の授業をベースに世界トップレベルの投資方法について紹介している。

バフェット氏のフェスティバルのような株主総会の話から始まり、カリスマ投資家たちの秘密を掘り下げていく。ハーバード流「最強の投資家のつくり方」と言えるだろう。

皮肉なことにバフェット氏は、HBSには入れず、コロンビア大学のビジネススクールで投資を学んだ。コロンビアで、バリュー投資の父と言われる伝説的投資家のベンジャミン・グレアム氏に学んだ。HBSは「投資」よりも、「経営」で有名だ。もし、バフェット氏がHBSに入っていたら、バフェット氏はどうなっていたのだろうか?

平田和生(ひらた・かずお)
慶応大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。日本株トップセールストレーダーとして、鋭い市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスで国内外機関投資家、ヘッジファンドから高評価を得た。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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