日本ではあらゆる業界が景気の悪さを嘆き、メディアが「若者の○○離れ」と報じている。顕著なもののひとつがテレビであるが、実はアメリカでもテレビ離れが起こっており、どこも対岸の火事ではないようだ。だが反対に、伸びているメディアもあるのだ。

米国エネルギー情報局によるリサーチ

アメリカ,TV,契約数
(写真=Thinkstock/Getty Images)

アメリカはケーブルテレビ大国としても知られ、視聴者が各々好きなチャンネルを契約している。最近ではこの契約者数が減少しているそうだが、家庭からテレビそのものが減っているのが大きく関係しているようだ。

図1
棒グラフはテレビの保持数。赤が所持なし、水色が1台〜2台、濃青が3台以上(出典:米国エネルギー情報管理、住宅エネルギー消費量調査)

過去1997年、2001年、2005年、2009年、2015年に渡り、米国エネルギー情報局が4~5年毎に行っている「米国家庭でのテレビ所持平均減少数」調査によると、およそ1億1800万世帯を対象に、1家庭につきテレビを3台以上所持していた家庭は30%(1997年)から44%(2009年)へと増加傾向だったものの、最後には39%(2015年)に落ちていることが判る。1~2台所持していた数は69%(1997年)から54%(2009年)まで減少しているが、3台以上を所持する家庭がガクンと下がったためか58%(2015年)に増加。つまり3台所持家庭が1台でも廃棄した結果、1~2台所持家庭にスライドしたことになる。最後に所持なしは1.3%辺りをほぼ横這いだったのが、最後の年(2015年)には2.6%に倍増している。

番組視聴デバイスの変化

recodeいわくテレビ所持数の減少は、テレビ番組を視聴するデバイスがテレビジョンのみだった時代が変わり、今ではデスクトップPCおよびノートブック、タブレット端末、スマートフォンで視聴する人々が増えてきたからだと見ている。実際に米国エネルギー情報局では全世代が使う視聴機器の調査もしており、やはり年齢が高いほどテレビ機器での視聴が多く、若いほどそれ以外を利用している率が高い。ちなみにテレビ以外で最も放送を観ているのがスマートフォンである。

デバイス使用率

周辺機器なしでテレビだけを持つ(地上波のみ視聴)のは、45歳~54歳までの層以上の世代だ。それ以下は統計では1台に満たない。だがケーブル放送受信機やデジタル録画機器を経由してテレビを見るとなると全世代が1台を持ち、55歳以上は平均的に2台持っている。

図2
グラフは左から、テレビ、テレビ周辺機器、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン(出典:米国エネルギー情報管理、住宅エネルギー消費量調査)

デスクトップPCは65歳~74歳の層がピークで、若い世代は所持数が少ない。だが、ノートブックは学生が多く使うからか、タブレット端末より多いようだ。そしてスマートフォンを最も所持している層は25歳以下もしくは34歳以下層も多い。筆者が気付いたのは、テレビ以外のデバイスに75歳以上の層がほぼ同じ割合でいる点だ。若い世代はデバイスによって上下が激しいが、まるでこの層は全てのデバイスを満遍なく持っているかのよう。これは貯蓄があるから買えるのか、まだまだ元気で新しいモノを試す興味があるのか、アメリカの老人がけっこう頑張っている印象を受けた。

放送視聴時間

同じくrecodeでは、録画ではない生放送とDVDを視聴する時間の調査もある。2012年では週に平均60時間強だったのが、2015年には57時間弱に下がっている。例えPCやスマフォで視聴しても、全体的に視聴時間は微減しているようだ。

映像ストリーミング配信

米国エネルギー情報局の最新情報は2015年であるが、それ以降現在までにHuluやNetflix、Amazonプライム・ビデオといったビデオ・オン・デマンドが急成長していることを忘れてはならない。Delotteでは、2015年に1億8100万人いた視聴者数が2021年には2億900万人まで増加するだろうと見ている。現に筆者はNetflixに加入しており、親しい友人たちも別のサービスを謳歌していると聞く。

高スペックなPC機器が安価で買え、ブロードバンド回線も整備されている今、地上波やケーブルテレビに加え新たな選択肢となる映像ストリーム配信は、今後もうなぎ登りに成長するメディアだろう。ここ数年は、まだまだエンターテイメントの転換期だと言えそうだ。(ZUU online編集部)

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