使わなくなった古い携帯が家に眠っているという人は多いだろう。8月22日、ゲオホールディングス <2681> は現在使われていない自宅に保管してある携帯電話である埋蔵携帯の価値の試算結果を公表した。試算によると、埋蔵携帯の価値は総額で1兆7013億円にも上る。大きな価値を秘める埋蔵携帯であるが、流通が進めば大きな市場を作り出す可能性を秘めている。
2015年から500億円増加 埋蔵携帯の買い取りに力を入れる企業も多い
埋蔵携帯の価値の試算は、関西大学の宮本勝浩名誉教授の協力のもと、ゲオホールディングス子会社であるゲオが行った。1人当たりの平均携帯保有台数から平均契約携帯台数を差し引き、日本における実際に携帯電話を保有しているに人数を掛けたものを「埋蔵携帯台数」と定義しており、それに中古携帯の平均買取価格を掛けたものを、埋蔵携帯の価値総額として試算を行った。
2017年の埋蔵携帯の価値総額は1兆7013億円となっている。2015年に行われた同様の調査では、価値総額は1兆6489億円であり、2年間で約500億円も増加した事となる。ゲオを始め、中古携帯の買い取りを行う会社は多くあるが、使わなくなった携帯を売るという習慣はまだ根付いていないようだ。
埋蔵携帯は大きな価値を持っており、流通が進めば大きな市場が生まれる可能性がある。近年は中古携帯の買い取りを行う事業者も増えており、注目が集まっている。今年3月には、ゲオやブックオフコーポレーション <3313> 、カルチュア・コンビニエンス・クラブ傘下のTSUTAYA等、8社が集まり、中古端末の流通促進に取り組む業界団体「リユース・モバイル・ジャパン(RMJ)」を立ち上げた。加盟企業の扱う中古スマホは国内流通量の6~7割を占める。携帯キャリア大手3社が新端末販売促進の為に、契約者から高額で買い取っている現状を問題視しており、端末買取価格の透明化を訴えている。