不動産バブルの兆候も指摘される中国であるが、足下では過熱感抑制の兆しが僅かに見え始めた。8月18日に国家統計局が発表した7月の主要70都市の新築住宅価格では、前月比で上昇した都市は56となり、前月よりも4減った。住宅ローン金利の引き上げや不動産取引規制等の当局の施策は徐々に効果を表してきている可能性がある。
前月より上昇都市数は減少 ピークアウトの兆しか?
国家統計局が発表した7月の主要70都市の新築住宅価格指数によると、前月比で上昇した都市は56都市となった。前月比での上昇都市数は6月に60、5月に56、4月に58、3月に62、2月に56となっており、ここ半年間の上昇都市数では最低の水準となっている。
前月比で価格が下落した都市数は9都市となっており、こちらは前月よりも3増えた。横ばいは前月よりも1増えた4都市となっている。特に前月より価格下落した9都市のうち7都市が、当局が不動産バブルを警戒する大都市である事に注目が集まる。北京、南京、鄭州、成都は前月比0.1%下落、深圳、福州、天津は同0.2%下落となった。一方で上海は同横ばい、広東は同0.4%の上昇となっている。
大都市では過熱感抑制が見られるという結果となっているが、地方都市での価格上昇は尚も続いている。多くの都市では前月からの値上がりが続いており、地方都市では1%近くの上昇率となっている都市もある。大都市での過熱感抑制の傾向が地方都市に波及するか、若しくは大都市での不動産取引の規制が地方都市の価格上昇に追い討ちをかけるのか、今後の動向は不透明である。