トランプ相場の出発点となったトランプ・ショックの安値は1万7883ドルで、1万7000ドルを割らなかった。そして、その後、史上最高値を更新して、2017年6月現在、2万ドルも下回っていない。直近の株価の動きから見ても、今回のトランプ相場は10年に1度というような、ブルマーケット(強気相場)の到来の予感がします。
(本記事は、菅下清廣氏の著書『 2019年までに株でお金持ちになりなさい 』徳間書店 (2017/6/30)の中から一部を抜粋・編集しています)
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。国際金融コンサルタント、投資家。立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。マーケット情報配信サービス「
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トランプ大統領の経済政策は実行可能性が高い?
トランプ大統領については、選挙戦中から批判ばかりです。トランプ関係の本も日本で多数出版されましたが、もともとプロレスの試合のプロモーターをしていた芸能人だとか、不動産王とはいっても何度も会社を潰しているとか、批判的な内容ばかりが紹介されていました。
とりわけ「ニューヨークタイムズ」や「ワシントンポスト」などの新聞、テレビではCNNなどアメリカのメインストリームと言われる主流派メディアは史上最低の大統領だと手厳しくトランプを叩いています。
トランプ大統領は日替わりメニューのように毎日言うことが違う。行動パターンにも一貫性がないので、次はどうなるかの予測が難しい。そのため、アメリカの政治情勢がものすごい勢いで変化しているなどというのが一般的な見方です。
しかし私の見方は違います。トランプ大統領は〝機を見るに敏〟、勝負どころでの判断は鋭い。なおかつ実行力がある。マスコミ、メディアなどの大勢意見や批判に動揺しない。強運も持っている。彼の自伝を読めばわかります。
なのでおそらくトランプ経済政策は、曲がりなりにも実行されるでしょう。来年の中間選挙でも勝利すると予想します。結局、アメリカの景気を良くした。株価が在任中に歴史的な高値をつけたということで、その名を歴史に残す名大統領になるのではないでしょうか?
地政学的リスクによる株価暴落は儲ける機会の到来
世界はトランプ主導によって、大きな政治の流れも変わってくる。とりわけ国際情勢は流動的なので、地政学的リスクで株が下がる理由も大いにある。今後も日米の株価が急落したりする局面もあるでしょう。しかし、急落する相場がなければ、急騰もありません。
今回のトランプ相場は、急落、急騰を前提した相場なのです。ジョージ・ソロスを筆頭に世界でも著名な投資家たちは、みんな暴落を買って儲けている。「暴落を買う」のがお金持ちになる秘訣です。もちろん暴落にも程度があります。その下がり方にも節目のポイントはある。
これから株式投資で成功するためには、株価の波動を知って先行きを予測することが大切です。すでにわかっているファンダメンタルズ、経済指標や数値からだけでは予想はできません。今後もし波動から見て、株価がもっと上がるという予想をした場合は、その波動のとおりに株価が動くかどうか。株価が上がるであろう裏づけとなる情報は何かを探します。今後、株価の行方を左右する情報が何かを見きわめるのです。
悪材料で買い、好材料で売りを徹底
相場世界では、株価が上がる情報のことを「買い材料」と言います。逆に、下がる情報のことを「売り材料」と言います。上がると思ったときに将来どんな買い材料が出てくるのかを人より先に予測することが決め手となります。
そして、株式投資で儲ける一番のキーワードは、「悪材料が出たときは買い」「好材料が出た時は売り」というのが投資の極意です。悪材料で買って、好材料で売らなければいけません。とくにいまは、トランプ大統領のことで悪材料が出たときは買いです。海外から好材料が出たら売りです。ここに注意してください。
先ほども述べたように、相場の行方は、マスコミやメディアが言っている新聞やテレビの情報では予測できません。なぜか。マスコミやメディアが報道するのは、今日までにわかっている情報だからです。それらはすでに大抵、市場に織り込まれています。ですから、相場を予測するためには、自分の頭で考えた新聞の記事をつくることです。
では、明日の新聞に出る情報をどうやって予測するのか。いま出ている情報の中から、自分自身の新聞をつくらなければいけません。つまり、いま洪水のように流れている情報の中から、株価の行方や世界情勢の行方を探るヒントになる情報を取捨選択して、予測シナリオを組み立てる必要があります。