今年の8月は思わぬ雨続き、そして冷夏となった。気象庁によると、都心では21日間連続の雨でこれは観測史上2番目の記録だそうだ。雨だけならまだしも、気温が20℃半ばの日が散見するなど夏らしからぬ日々が続いた。
こうなってくると気になるのは日照不足による農作物の不作である。夏に恩恵を受けるはずの猛暑の関連企業の業績へも少なからず影響を与えるだろう。一方で、冷夏が業績に良い影響を与えるであろう企業も存在する。
そこで、冷夏で業績に良い影響がありそうな企業、そうでない企業をジャンル別にご紹介していく。
業績への悪影響が懸念されるのは
【農業関連株】
日照不足が続くと、農業にも打撃が生じる。農作物の不作が生じるとその分値上げや利益減少による次の年の設備投資への影響など農業界全体におよぶ経済的な打撃は計り知れない。
特に冷夏続きの場合、1993年に米不足で輸入米が食卓に並ぶことになるなど大きな騒動となった例も存在し、今夏もその再来となるのではと危惧されている。農業関連株への影響は今後ジリジリと出てくることが予想される。
- サカタのタネ <1377>
- カネコ種苗 <1376>
- ベルグアース <1383>
- 日本農薬 <4997>
【飲食料関連株】
冷たさと味の両方を楽しむアイスクリーム関連企業、夏に喉越しを楽しむ為のアルコール飲料であるビールを販売する企業などは冷夏による影響は大きいだろう。
また熱中症対策としてペットボトル飲料の売れ行きが下がると、サントリー食品インターナショナルやコカコーラボトラーズJPなどへの影響も危惧されるところだ。
- BーRサーティワンアイスクリーム <2268>
- サントリー食品インターナショナル <2587>
- アサヒグループホールディングス <2502>
- コカコーラボトラーズJ <2579>
【屋外行楽地関連株】
冷夏だと最も大打撃を受けるだろう企業がプールを運営している企業だ。例えばあきる野市にある東京サマーランドは夏場はファミリーや学生たちで大混雑するエンターテイメント型プールで知られる。屋内プールも一部あるとはいえ、冷夏、雨の中では客足も遠のきそうだ。ちなみに東京サマーランドは東京都競馬の子会社である。
また夏休みとなる8月はディズニーランド&ディズニーシーへ来園する学生が多いと思われる。折角の夢の国体験をするなら雨の日より晴れの日を選びたい人が多いだろうことは容易に想像ができる。雨の日が続いた今夏は同社の業績への影響も心配されるところだ。
- 東京都競馬 <9672>
- オリエンタルランド <4661>
【エアコン関連株】
猛暑であるとエアコンの買い替えが進むと言われているが、今年は少々苦戦しそうだ。またエアコンだけでなく羽なし扇風機などの売れ行きにも影響があるだろう。夏場に出る商品が売れないと家電量販店などの売り上げにも影響がありそうだ。
- ダイキン工業 <6367>
- パナソニック <6752>
- ヤマダ電機 <9831>