学生の3分の1が「学位選びよりも車探しに費やす時間のほうが長い」、5人に1人が「次の海外旅行先選びのほうに時間をかける」ことなどが分かった。

調査はオープン大学オーストラリア(OUA)が1000人の学生を対象に実施したものだが、「大学進学が当たり前になり過ぎて、生徒のモチベーションを下げているのではないか」との専門家の意見もでている。

3割が中退、4割が専攻科目変更

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

調査結果を掲載したNews.Com.Au によると、多くの学生が大学や学位という「長期投資やコスト」よりも、車や旅行など「即手に入れたいという要求」を優先しがちな現状が結果に反映されている。

オーストラリアではおよそ半分の大学生が自宅から通学しているため、比較的学習環境に恵まれていると思いきや、中退する生徒の割合は32%と極めて高い。「やりたいことが変わった」という理由で専攻科目を変更する生徒は、40%にもおよぶという。

社会分析者のデヴィッド・チョーク氏は、「こうした結果は驚くに値しない」という。大学進学が義務教育の一環のようにシステム化された現代社では、学位取得から将来的に得れる利益よりも、目先の車や旅行、PCから得られる満足感のほうが大きいという理論だ。

「専攻科目は気にいらなければ変更可能だが、車はそうはいかない」

「学位は3週間で選んだが、車の購入にはもっと時間をかけた」という27歳の女性は 、「専攻科目は気にいらなければ変更可能だが、車はそうはいかない」と、当時の心境を語っている。学生ローンと自動車ローン(あるいは貯蓄)から得る心理的影響の差についても、指摘している。

別の25歳の女性は、「車選びなら自分の要求が分かっているが、(学位を得て)人生で何をしたいのか決めろといわれると主観的な意思決定になる」と戸惑いを示している。学位取得から何を得られるかは分からないので、目先の短期投資に走るといったところだろうか。

こうした戸惑いを回避するためにも、「より多くの情報を収集・吟味してから学位を選ぶべき」と、OUAのポール・ワペットCEOは注意を促している。

勿論、真剣に学位を選択し、真面目に勉学に励んでいる学生も多い。最終的には個人の価値観や主観の差ではないかと思われる。

前述した「すぐに欲しい」という要求は、英語でいう「インスタント・グラティフィケーション(即座の満足)」にあたる。人間に自然に備わっている願望とされているが、デジタルの進化がこの願望に拍車をかけているとの説もある。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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