晩婚化の進展に伴って、初めて子を持つ親の年齢も高くなりつつある。40代になってから第1子という家庭も珍しくない。ある程度年齢を重ねてからの育児にはメリットも多いが、お金の面では気を付けたいポイントもある。

アラフォーからの子供は珍しくない

晩婚化,子育て費用
(写真=PIXTA)

厚生労働省「人口動態統計」によると、1人目出生時の母親の平均年齢は2015年時点で30.7歳、父親は32.7歳だ。これは30年前に比べて約5歳上昇している。平均が30歳を超えているということは、40歳を過ぎてから初めての子供という例はさほど珍しくないことが分かる。筆者の知人も先日夫婦ともに41歳で第1子を授かった。

40歳前後からの育児には、社会経験が豊富なため若い頃に比べて知識や社会常識があり、精神的・経済的ゆとりがあるというメリットもあるが、お金に関してはハンデがあることには注意したい。

教育費がかさむ頃に定年

42歳で子供が誕生したら、その子が18歳になり大学入学を控える頃に親は60歳。定年の時期だろう。雇用延長が進んできたとはいえ、60歳代の年収は50歳代の半分近くになるなど、現実はなかなか厳しい。国税庁の調べによると、男性の平均給与のピークは50〜54歳の670万円で、65歳を過ぎると378万円になる。女性にいたっては60歳を超えると給与はせいぜい200万円だ。

1人目を何とか乗り切ったとしても、2人、3人となればどうか。幼稚園から大学まですべて公立でも1,000万円、すべて私立だと3,000万円以上かかると言われる教育費に、さらに食費・服飾費・レジャー代が別途かかることを考えると、現役を引退した状態で持ちこたえられるだろうか。すべての子供が大学を卒業するまでに退職を迎えてしまう場合は、何らかの対策を必要であることが分かるだろう。

晩産組は教育費が手厚くなりがち

晩産家庭に待ち受ける落とし穴は、「教育費は高等教育に進むほどかさむが、幼少期はそれほどでもないので油断してしまうこと」だ。それは教育費の過剰投資という形で現れる。

サラリーマンの年収は、40代から50代にかけてピークを迎える。その頃に子供が小さいと、まだ思ったよりも教育費がかからないことから、家計に余裕があるように錯覚してしまう。そのため、バイリンガルの幼稚園に通わせたり、スポーツ・楽器などの習い事や塾に行かせたりする。それでもしばらくは問題ない。しかし収入が下降線を描く頃、教育費は上昇し始める。一度始めてしまったものはなかなか途中では辞められず、家計はみるみる苦しくなるのだ。

かわいい子供のための投資だから金を惜しまないというのは理解できるが、教育費がすべて投資になるとは限らない。本当に子供がやりたいものに絞って、教育費を抑制するよう心がけたい。

老後資金に備える時間がない

遅くなってから子供を持った家庭では、貯蓄に充てられる期間が短いという特徴がある。ひと昔前のように30歳までに子供が生まれれば40代で主な教育費を支出し、50代は老後の資金作りに備えることができる。しかし晩産家庭では50代は子供の教育期真っ盛りなので出費がかさみやすい。落ち着く頃には60代で、収入は落ち込み、貯蓄に回せる時間もお金もない。

また、子供ができる前は共働きで、好きなことにお金を使う余裕に恵まれているケースが多い。教育費といった明確な貯蓄目標がないために、あまり貯蓄に熱心ではない傾向もある。その習慣が抜けないまま育児期に突入すると、支出の抑制が効かず十分な貯蓄もないために、ある程度収入が維持できても家計が苦しくなることがある。時間の問題だけでなく、財布のひもの問題もあるのだ。

後ろ倒しで来る支出のピークにどう備えるか

40代になってから子供を持つ夫婦が自覚すべきことは、「支出のピークが一般家庭よりも後ろ倒しで来る」ことである。60代になってからも変わらない収入があることが理想だが、現実には可能性はそう高くない。

そのため、早くからの計画的な貯蓄は絶対条件である。教育費や老後資金が「いつまでにいくら」必要なのかを試算し、必要であればそれまでの生活水準を見直すことも考えたい。幼児期・学童期の子供への過剰投資にも注意したいところだ。(篠田わかな、フリーライター)