日照不足で野菜が高騰を続け、家計を直撃している。一方でスーパーやコンビニなどでは値下げの動きがみられるなど、このところ値上げ・値下げが話題にのぼることが少なくない。そこでここでは、最近あった価格に関するニュースとその背景について整理しておくことにしたい。

鳥貴族 10月から全品298円に値上げ発表

値上げ,値下げ
(写真=PIXTA)

居酒屋チェーンの鳥貴族 <3193> が8月28日、これまで一律280円だったフード・ドリンクを10月1日から全品298円(税別)に値上げすると発表した。

同社の値上げは1989年以来2度目のことで、人手不足による人件費の上昇や仕入れ価格の高騰、酒税法改正による影響を理由としている。

前年同旬比150%以上の高値になった野菜も

農林水産省が発表している青果物卸売市場調査の旬別結果によれば、2017年8月中旬における卸売市場計のキャベツの価格は1kg当たり94円で、これは前年同旬比の125%になる。同様にほうれん草は927円で前年同旬比129%、ねぎは511円で前年同旬比119%だった。

さらにキュウリに至っては、318円で前年同旬比が162%にも達しており、他にもナスが284円で前年同旬比154%、トマトが314円で前年同旬比124%など、軒並み高値を記録している。もちろんこの最大の要因は日照不足だ。

オホーツク海高気圧の影響により北東から冷たい空気が流れ込んでいることから、北日本や東日本の太平洋側で曇りや雨の日が続いているのが原因だと言う。現に8月1日から16日までの日照時間は、北海道のオホーツク海側では平年のわずか27%に過ぎなかった。また、東北地方の太平洋側でも平年の39%、関東甲信地方でも平年の52%、東海地方でも平年の64%と、軒並み日照不足が顕著になっている。

お米の値段も上昇が続く

米穀機構が毎月量販店等の販売データをもとに公表している月報によると、2017年7月のうるち精米の税込み平均価格は1kg当たり376円で、前年同月を7.4%上回った。実はこうした米価の上昇傾向は2015年11月からずっと継続しており、家計に対するボディブローが徐々に効いてきているといったところだ。

6月から8月ごろにかけて北海道や東北、関東などで吹く北東の風を「やませ」と呼ぶが、この「やませ」が太平洋側の冷たい海流の上を通って冷たく湿った風が山にぶつかった結果、そこに雲が発生して日照が遮られ、霧が出たり雨が続いたりしている。日照時間の不足により気温の低い日が続くと農作物に被害が出ることから、「やませ」は昔から「冷害風」だの「餓死風」だのと呼ばれるほど恐れられてきたのだ。

1993年には「やませ」が「平成の米騒動」とも呼ばれた深刻なコメ不足をもたらした。同年は記録的な冷夏によって、全国のコメの収穫量は前年比3割減ほどにとどまり、タイ米を緊急輸入するといった事態さえ招いたのだ。

さらにもう一つの懸念材料は「いもち病」だ。これは日照不足などが原因となってカビの生えた稲が枯れてしまう病気で、今後も悪天候が続くとこうした病気のリスクも高くなってくるというから、生産者にとっては気の抜けない日が続くことになりそうだ。

イオン <8267> はPBの値下げを続行

野菜やコメの価格が上昇する一方で、小売業界では「売らんがため」の値下げに注力する企業の姿も見られる。イオンは2017年8月25日から、グループのスーパー2800店舗でプライベートブランド(PB)の食品や日用品計114品目の価格を下げると発表した。今回の値下げ幅は平均10%程度となるが、同社は昨秋と今春にも約520品目の値下げを実施している。

114品目の内訳は食品の88品目、酒類の7品目、日用品の19品目となっており、継続的な値下げによって低価格をアピールすることが目的だという。パック入りご飯が29円安の429円、レギュラーコーヒーが108円安の753円など、低価格への意識が強い消費者のニーズに応えて需要を喚起するのが狙いだと思われる。

他にも「値下げアピール」が目立つ

衣料品販売に関しては、「無印良品」の良品計画 <7453> が秋冬物およそ110品目を順次値下げすると発表している。ネット通販の躍進が店頭販売を圧迫する中、試着型店舗展開などの工夫は当然として、やはり価格戦略も見直さざるを得なくなったというのが実情だろう。

値下げと言えば、2017年8月1日に関西電力が電気料金の値下げを発表しているのにも注目だ。高浜発電所3、4号機が運転を再開したことによる火力燃料費等の削減分等を電気料金に反映させたというものだが、原発再稼働への批判を逸らす意図がなかったのかどうかについてはいろいろな見方があるのかもしれない。(ZUU online 編集部)

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