大阪府と大阪市が、府立大と市立大の運営法人を統合する議案を9月の府市両議会に提案する。副首都推進本部会議で方針を明らかにした。2022年度を目標とする新大学開設に先立ち、府市が共同で新運営法人を設立するもので、2019年4月に新運営法人をスタートさせる計画だ。
実現すれば設置自治体が異なる公立大の統合は全国で初めて。学生規模で首都大学東京を上回る国内最大の公立大が誕生する。橋下徹前大阪市長が提唱していた府立大と私立大の統合が、ようやく大きく動き始めた。
新大学の開設は2022年4月が目標
統合方式は地方独立行政法人法による新設合併で、統合後の新大学法人名は「公立大学法人大阪」。大阪市内に事務所を置き、府立大、市立大、府立大工業高等専門学校を運営する。高専を含めた府立大の教職員880人、市立大の2,193人は新法人が引き継ぐ。
府立大と私立大の学長は運営法人の理事長を兼任しているが、新運営法人では副理事長となり、教育、研究に全力を挙げる。理事長は法人運営に専念。法人の理事には学外人材も起用し、民間の発想やノウハウを経営に取り入れる。
新大学の開設に先立ち、運営法人を統合するのは、キャンパスの再整備や学部の再編など府立大、市立大間の調整をスムーズに進めるのが目的。9月議会で議案が可決されれば、府市は文部科学省と総務省に許可を申請する。
新法人の発足後は学部の再編計画を進めるとともに、2021年に両校の統合議案を府市両議会に提出し、2022年度の新大学開設を目指す。これに合わせ、大阪市北区のJR大阪駅北側にある「うめきた2期区域」に新キャンパスを設置、国際交流や研究の拠点とする構想も浮上している。
大阪市経済戦略局、大阪府府民文化部は「9月議会に運営法人の統合を提案し、スケジュールに従って粛々と統合を進めていく」と述べた。