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Written by アラン琴子 45記事

「確定利付きの永久債」代わり?

スイス国立銀行の株価が1年で2倍以上に急騰、高値の謎はユーロ高?

年初来3000スイスフラン(CHF/約34万円)を超える高値をつけるなど、スイス国立銀行(SNB)の株価が急騰している。7月中旬と比較すると50%増、1年前から2倍以上という上昇ぶりだ。

株価を押し上げた理由として、ユーロ高の影響のほか、投資家がCHFを「確定利付きの永久債」と見なしているとの説もでている。

謎の急騰はユーロ高の影響?

スイスフラン,ユーロ高,スイス国立銀行
(写真=Thinkstock/Getty Images)

SNBのように上場している中央銀行は、ほかにも日本銀行、ギリシャ中央銀行、ベルギー国立銀行などが、民間に株を発行している。

CHFは2003年以降、2016年上旬まで長期間にわたり1000CHF(約11万円)台を維持していた。しかし徐々に伸びを示し、2017年7月には2000CHF(約23万円)を突破。8月に3000CHFの壁すら打ち破った(Googleファイナンス9月1日データ )。

この急騰ぶりを「不可解」と見なし、戸惑いを隠せない専門家は少なくないようだ。

チューリッヒの資産マネージメント会社Vontobelのアナリスト、アンドレアス・ヴェンディッティ氏曰く、「SNBの株主は機関投資家ではないため、分析の需要がない」ため、様々な憶測が飛び交っている(フィナンシャル・タイムズ紙 より)。

「ユーロ高の恩恵ではないか」と見るのが最も自然だろうか。SNBは外国為替市場への介入を適時に実施しているほか、7億ドルを超える巨額の外貨準備を保有しているため(Trading Economis2017年8月データ )、為替変動の影響を受けやすい。

10年国債より高利回り 投資家にとっても安全牌?

もう一つ、強く説得力が感じられる仮説は、「確定利付きの永久債(償還期限の定めがなく、永久に利息だけが支払われる債券)の代用と見なし、投資家が殺到している」という、オーストリア・ライファイゼン中央銀行のエコノミスト、アレクサンダー・コッホ氏のものだ。

スイス政府が発行している10年国債の利回りは、現在マイナス0.15%。対するフランス銀行株の配当利回りは0.5%だ。

2007〜8年にかけての金融危機以降、SNBが無配当で株主を落胆させる危険性は、常につきまとっている。実際、金の価格下落による損失が150億CHF(約1.7兆円)に達した2013年、1907年の設立以来、初めて配当を見送った。

しかしこうした懸念は、保有している外貨準備高を前に、かなり薄れているという。
また「中央銀行はけっして破たんしない」という究極の安心感を投資家にあたえる、精神的効果も考えられる。

今後も株価が上昇を続けるか否かについては、展開予想が難しい。9月1日午後16時現在、株価は3000CHFを再び下回っている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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