年初来3000スイスフラン(CHF/約34万円)を超える高値をつけるなど、スイス国立銀行(SNB)の株価が急騰している。7月中旬と比較すると50%増、1年前から2倍以上という上昇ぶりだ。
株価を押し上げた理由として、ユーロ高の影響のほか、投資家がCHFを「確定利付きの永久債」と見なしているとの説もでている。
謎の急騰はユーロ高の影響?
SNBのように上場している中央銀行は、ほかにも日本銀行、ギリシャ中央銀行、ベルギー国立銀行などが、民間に株を発行している。
CHFは2003年以降、2016年上旬まで長期間にわたり1000CHF(約11万円)台を維持していた。しかし徐々に伸びを示し、2017年7月には2000CHF(約23万円)を突破。8月に3000CHFの壁すら打ち破った(Googleファイナンス9月1日データ )。
この急騰ぶりを「不可解」と見なし、戸惑いを隠せない専門家は少なくないようだ。
チューリッヒの資産マネージメント会社Vontobelのアナリスト、アンドレアス・ヴェンディッティ氏曰く、「SNBの株主は機関投資家ではないため、分析の需要がない」ため、様々な憶測が飛び交っている(フィナンシャル・タイムズ紙 より)。
「ユーロ高の恩恵ではないか」と見るのが最も自然だろうか。SNBは外国為替市場への介入を適時に実施しているほか、7億ドルを超える巨額の外貨準備を保有しているため(Trading Economis2017年8月データ )、為替変動の影響を受けやすい。