総務省は地方自治体などが発行するポイントをためて、地域の特産品購入などに使える「自治体ポイント」制度を9月25日から開始する。協賛企業のポイントやマイレージも、自治体ポイントに交換可能で、ついつい有効期限を切らしてしまう企業ポイントも、地域経済の活性化に活かすことができるという。

自治体ポイントは、マイナンバーカードと連動して利用する。地域住民は、マイナンバーカードを使って、たまった自治体ポイントをオンラインで特産品購入や商店街での買い物に利用できるようになる。しかし、ポイントをマイナンバーカードで決済することで、個人情報の漏出などを懸念する声は小さくない。

クレジットカードのポイントやマイレージも自治体ポイントに合算

マイナンバー,自治体ポイント
(写真=PIXTA)

自治体ポイント制度は、ボランティア活動やふるさと納税などの地域活動をした人に、地方自治体が、地元商店街でも使えるポイントをマイナンバーカードに付与する仕組み。さらにクレジットカードのポイントや航空会社のマイレージなど、民間のポイントとの合算もできる。これによって総務省は、地域活性化とともに、交付率が低いマイナンバーカードの一挙取得拡大を狙っている。

例えば、クレジットカードなどのポイントは、年間4000億円ほど利用者に付与されているが、実際はその3-4割が未使用だという。公共施設や商店街など使える場所が増えれば、そのような無駄も有効利用されるだろうという。

この制度には全国1741の自治体中、217自治体が参加開始を表明している。自治体ポイントのほか、賛同した日本航空やNTTドコモ、JCBなど12社のポイントも合算して、マイナンバーカードのICチップに読み込まれる。

マイナンバーカードへのポイント合算に説明責任残る

首都圏を中心に全国で続々と新しいポイント制度が登場したのは6,7年前からである。今では、ポイントの対象は墓参りから駐輪場までさまざまだ。いずれも利用者に「ちょっぴり得した」と感じてもらうことで、継続的な利用を促す効果が期待できる。

マイナンバー制度は2016年1月から始まった。当初からポイントカード機能を付与する構想が、高市早苗総務相を中心に総務省内で検討されてきた。マイナンバーカードとポイントカードの一体化は、総務省が言う「自治体のサービスと地域商店街のポイントを融通し合うことで、地域活性化につながる」という考え方に基づいている。

マイナンバーカード一枚でさまざまなサービスが受けられるようになれば、国民の利便性は向上する。一方、個人情報流出のリスクもそれだけ高くなる。こうした民間運用への拡大は、本当に安全と言えるのか。マイナンバーカードがさまざまな民間サービスに紐付けられることで、個人情報の流出リスクの高まる可能性について、政府の説明責任は残るだろう。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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