スーツは社会人の正装の一種だが、体形に合わないスーツを着ていると、だらしなく見えてしまい、正装の意味合いが薄れてしまうだろう。そこで、スーツサイズの測り方や選び方について紹介する。

スーツ,サイズ
(写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)

スーツの型・タイプについて

スーツは大きく分けると、シングルスーツとダブルスーツの2種類がある。スーツを選ぶ時には、まずシングルかダブルのどちらかに決めてから、個別のスーツを見て行くとスムーズだ。そのため、シングルとダブルの見分け方を知っておく必要がある。

シングルスーツ

シングルスーツとは、ジャケットのボタン並びが一列のスーツのことを指す。ジャケットを着た時に、ボタンが体のセンターに並ぶ形がシングルスーツの特徴だ。スリムに見せたい人や、前ボタンを開けっ放しで着用したい場合などは、シングルスーツが良いだろう。

また、ジャケットとスラックスのスタイルのことを「ツーピース」、そこにベストを加えると「スリーピース」といい、着こなしの幅を広げている。さらに、2つボタンタイプのものや、3つボタンタイプのものがあり、ボタンの留め方によっても違った雰囲気を演出することが可能だ。

ダブルスーツ

ダブルスーツとは、ジャケットの前ボタンが2列に並んでいるもので、ボタンを留める際にはジャケット前面を重ね合わせる方法を取る。体のラインを出したくない人や、常に前ボタンを留めておきたい人などにオススメだ。

ボタンは4~6つのものが一般的で、配置や形状からフォーマルなイメージを持っている人が多い。その分、自分に合ったものを選んで、しっかりと着こなしたいスーツだ。

スーツのサイズの測り方

スーツのサイズの測り方は、自分の体形に合ったサイズのスーツをセレクトするために大切だ。お店で測ってもらうことは可能だが、自分のスーツサイズをあらかじめ測っておくと、スーツを購入するたびに測ってもらう必要がなくて便利だろう。

スーツサイズを測る場合には、3つのポイントを重視すると良い。その3つとは「バスト・ウエスト・ヒップ」だ。バストは胸の部分で最も高い位置の周囲を測るとよい。ウエストは胴回りの最も細い部分を測る。ヒップは腰の中で最も幅がある場所の周囲を測ると正確だ。これらの3つのポイントを測ると、自分のスーツサイズを把握することができるだろう。

しかし、スーツには仕上がりサイズがあるというのを聞いたことがある人もいるかもしれない。仕上がりサイズとは、完成したスーツ自体の寸法のことで、肩幅・胸囲・着丈・股下など、さまざまな箇所のサイズのことを指す。

自分の体に合ったスーツサイズを測るには、これらの箇所に適合したサイズも知っておく必要があるのだろうか。実はスーツサイズを測るには、さきほど挙げた「バスト・ウエスト・ヒップ」の3つのポイントで十分だ。

なぜなら、ほとんどの既製品は、この3つの箇所が合えば、体形に合うサイズを見つけることが可能だからだ。逆にいうと、スーツを上手に着こなせていない人は、この3つのポイントが合っていないケースが多い。3つだけなら覚えやすく実用的なので、知っておくと良いだろう。

スーツのサイズ表記について

スーツのサイズ表記については「A5」や「YA7」というような、数字とアルファベットが入り混じった表記を見たことがあるだろう。これは「JIS L4004規格」によるサイズの規定なのだが、スーツはウエストサイズや身長に合わせて、このようなサイズ表記がなされている。

ウエストに合わせたアルファベット表記

アルファベットは、ウエストサイズに合わせて決められており、最も小さなYAから順にA、AB、BE、E、Kと大きくなっていく。

《ウエストごとのアルファベット》

  • 68~84センチ:YA
  • 72~90センチ:A
  • 78~96センチ:AB
  • 86~104センチ:BE
  • 98~110センチ:E
  • 110~128センチ:K

身長に合わせた数字表記

数字は身長ごとに決められており、身長150センチが「1」、そこから身長が高くなるごとに数字表記も上がり、195センチで「10」となる。

《身長ごとの数字》

  • 150センチ:1
  • 155センチ:2
  • 160センチ:3
  • 165センチ:4
  • 170センチ:5
  • 175センチ:6
  • 180センチ:7
  • 185センチ:8
  • 190センチ:9
  • 195センチ:10

ウエストのアルファベットと、身長の数字を合わせてスーツのサイズ表記が構成されている。ウエスト80センチで身長170センチならば「A5」、ウエスト78センチで身長180ならば「YA7」という表記となる。

スーツのサイズの選び方

スーツサイズの選び方は、何となく難しそうなイメージがあるかもしれないが、一定の手順通り進めれば、簡単に自分の体形に合ったスーツを選ぶことができる。ここでは、スーツサイズを選ぶ3つの手順を紹介しよう。

まずは自分のサイズを把握

まず重要なのは、自分のサイズを把握することだ。自分の身長とウエストならば、どのサイズ表記となるのかを知っておくと便利だ。ほとんどの人が自分の身長は知っているだろうし、ウエストはメジャーで測ればすぐに分かる。

あとは「JIS L4004規格」のルールに照らし合わせて、自分のサイズ表記を知っておくと、スーツサイズの探し方の効率が格段に上がるだろう。いったんサイズ表記を把握してしまえば、体形が変わらない限りずっと同じ表記のものを探せば良い。スーツサイズ選びの基本としてぜひ押さえておこう。

シルエットを把握

サイズ表記の把握だけでスーツ選びをする人も多いようだが、サイズ表記の把握はおおよその目星を付けた状態だと考えた方が良い。より自分に合ったスーツを選ぶには、シルエットの把握も重要だ。

スーツが同じサイズだったとしても、若干着心地にゆとりのあるベーシックシルエットと、体にフィットするスリムシルエットがある。同サイズでも見た目の雰囲気が大きく変わるため、どのように見せたいかによって選別すると良いだろう。

スラックスもノータック、ワンタック、ツータックと、加工によってシルエットを大きく変える。スーツを着る目的や好みに合わせて、使い分けしているオシャレな人もいるようだ。

フィッティングポイントを把握

より自分に合ったスーツを選びたい場合には、フィッティングポイントの把握も重要だ。基本的には「バスト」「ウエスト」「ヒップ」が合っていれば十分だと紹介したが、さらなるハイセンスな着こなしを目指したい場合には、これらに加えて4つのフィッティングポイントに注目すると良い。

その4つとは「肩」「袖丈」「パンツ丈」「着丈」だ。つまり、合計7つのフィッティングポイントを押さえておくと、自分に合ったスーツを選ぶことができるだろう。

マクロからミクロへの選択方法が大事

スーツはタイプやサイズ表記を知った上で選ぶと、自分に合ったスーツを買うことができるだろう。シルエットやフィットポイントまでこだわると、さらに自分に合うものが手に入るはずだ。

スーツ自体の見た目と、自分が着た状態での見た目には差があることが多いため、サイズを合わせるということはとても重要だ。

ただし、いきなり自分のサイズに合うものを具体的に探そうと思っても、数ある商品の中から選ぶことは困難だろう。まずはタイプを選別し、自分のサイズを知り、その中からシルエットやフィットポントを合わせるというように具体化していくとスムーズだ。マクロからミクロへの流れが大切なのだ。(ZUU online編集部)