MBAの全日制2年コースの入学希望者が2012年から16年にかけて18ポイント減の43%に落ち込んだのに対し、逆に入学希望者が58%増えたコースがある。それはMIM(Master's International Management/国際経営修士号)だ。

いまMIMの評価がMBAを上回る勢いで上がっている。フィナンシャル・タイムズ紙の報道から分かった。

「MBAよりもビジネス・マネージメントのマスターを取得したほうが、早くて経済的」というのが、主な理由として挙げられている。

受験生の5割が「MIMはMBAと同等の価値」と評価

入学希望者のデータは、GMAT (経営大学院への入学適正試験)を管理する米国のグラデュエイト・ マネージメント・ アドミッション・ カウンシルの調査によるものだ。

MIMとは大学で学士取得後、さらに1~4年間大学院で国際的な経営学を学ぶコースだ。構造的にはMBAと似ているが、通常期間が短めで学費も割安になる。

イタリアのルイージ・ボッコーニ商業大学では少なくとも過去10年にわたり、MIMコース入学希望者が年間10%のペースで増えているという。2017年は募集人数150人に対し、900件の応募があったそうだ。

また英国の市場コンサルティング企業キャリントンクリスプが受験生1000人を対象に実施した調査では、約3分の2が「MBAよりもMIMの取得を検討している」と答えたほか、47%が「MIMはMBAと同等の価値がある」との見解を示した。

キャリントンクリスプの共同設立者、アンドリュー・クリスプ氏は、野心に燃えた20代の若者にとって、「MIMはMBAに代わる、経済的で効率的な代用である」と指摘している。

一般的なMBAが取得に15~21カ月の期間と7.5万ポンド(約1063万円)の費用を必要とするのに対し、例えばロンドン・ビジネス・スクールのMIMは2.9万ポンド(約411万円)と約2分の1以下の費用ですむ。期間もMBAの半分だ。

米国の一流経営大学院ではMBA人気が健在