北朝鮮情勢の緊張感が強い高まりを見せている。2017年9月3日に核実験を行なうなど、国際社会に対する軍事的挑発が目立っている。少なからず世界の経済状態にも影響を与えている。「買われる資産」と「売られる資産」が見られるようになっているのだ。

有事の際に売られるのは株式のようなリスク資産

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(写真=Max Sky/Shutterstock.com)

金融市場においてはリスクオンとリスクオフという言葉がある。

リスクオン=社会・経済情勢が好調なため、資産の多くがリスク資産へと流れること
リスクオフ=社会・経済情勢が不調なため、資産の多くが安全資産へと流れること

例えばリスクオンは地政学的に安定している状態や経済バブルが生じたときに起こる。逆にリスクオフは地政学的な不安定や経済的な問題が発生したときに起こる。今回の北朝鮮情勢の問題は、「地政学的リスク」の高まりに含まれ、金融資産がリスクオフの方向へと流れることになる。

リスクオンのときに買われる資産がリスク資産である。リスク資産を代表するものには株式、不動産などがある。

このような資産は価格が大きく変動し元本割れするものが多いため、戦争などのような地政学的リスクのときには資産として手放されることが多い。

ちなみに北朝鮮の核実験によって売られた株式市場が米国株式、日本株式などの株式指数である。NYダウ30種平均は234ドル安、日経平均株価は2営業日で300円安以上下げている。

ただし株式のようなリスク資産といっても、足並みをそろえて売られるわけではなく、米国、日本といった国が売られる一方で、上海(中国)やDAX(ドイツ)、ボベスパ指数(ブラジル)は逆に買われているようだ。現段階では北朝鮮問題に直接的に関与していると判断される国の株式が積極的に売られていると思われる。

しかし、今後米国市場が敏感に反応し株価が大きく売られるようなら、他国の世界的株安への足がかりとなってくることも容易に想像がつく。

ただし防衛関連株は買われる