8月29日、国土交通省は国が管理する27空港の2016年度収支についての試算結果を発表した。2016年度の空港収支は営業利益で179億円となり、3年連続の黒字を確保した。訪日外国人の増加により、航空需要が拡大している事に加え、それに伴う空港施設の利用も増加している事が主な要因と見られる。

訪日外国人は年間2000万人超 空港収支の営業黒字も定着か?

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(写真=PIXTA)

調査は国が管理する26空港であり、東京国際空港(羽田空港)や新千歳空港等が含まれる。2016年度中に民航利用の無かった千歳飛行場や会社管理である成田国際空港や関西国際空港等は対象とされていない。

対象となる26空港全体の営業損益は前年度比0.6%増となる179億円となり、3年連続の黒字となった。経常利益は前年度比9.0%増の689億円だ。赤字傾向にあった空港収支であるが、2014年度の黒字転換を境に風向きが変わってきている。今回の結果は収支改善が定着しつつあると示す結果となった。

収支の内訳を見ると、滑走路等の基本施設の事業である航空系事業は198億円の営業赤字となっている。ただ、赤字幅は昨年度比で僅かに縮小、2012年度比で見ると854億円の縮小と改善傾向にある。旅客・貨物ターミナルビル等の非航空系事業は377億円の英牛黒字となっている。施設整備等の費用増に伴い、昨年度費では5億円の減少となっているが、2012年度比で見ると、235億円の増加となっている。非航空系事業が好調に推移する中、航空系事業でも収益改善が進んでいる事が、営業黒字確保につながっている。

空港収支の改善は訪日外国人旅行者の増加が主因であると見られる。日本政府観光局によると2016年に日本を訪れた外国人は2404万人となっており、年間ベースで初めて2000万人を突破した。2012年から5年連続で2ケタ伸長を続けており、増加の一途を辿る訪日外国人が空港収支の改善に貢献したようだ。また、2016年には1711万人の日本人が出国しており、こちらも過去最高に迫る水準となっている。多くの人の出入国に伴って、空港需要の拡大や空港施設利用の増加が起きている。

けん引役は羽田、新千歳 多くの地方空港は営業赤字に悩む

訪日外国人旅行者の増加等により改善傾向にある空港収支であるが、空港別に見ると、また違った側面が浮かび上がる。

対象となった26空港の内、営業黒字を達成した空港は、羽田、新千歳、広島、松山の僅か4空港に留まる。中でも羽田は全体の営業利益額を上回る277億円の営業黒字を稼ぎ出しているが、22空港の営業赤字が足を引っ張る形となっている。羽田や新千歳等、ごく一部の空港が営業赤字に悩む地方空港を支える構図である。

訪日外国人旅行者は増加の一途にあるが、地方にまで足を運ぶ旅行者はまだ多くはないようだ。各地方では旅行者受け入れに知恵を絞っているが、その成果が待たれるところである。1年間の営業を通じて得られるキャッシュフローを表すEBITDAを見ると、26空港中、16空港が黒字となっており、単年のキャッシュフローでは収支を保っている空港も多い。EBITDAベースでの堅調な収支と訪日外国人増加の追い風がある今は、地方空港の営業黒字化を模索するタイミングであるとも言える。(ZUU online編集部)

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