最近、新聞、雑誌などのマスコミには、「太陽光発電は冬の時代」「曲がり角に立つ太陽光発電」といった記事が目立っている。果たしてそうだろうか。経済産業省のデータや先ごろまとめられた民間調査会社のレポートをもとに、太陽光発電の見通しを検証してみた。

FIT制度により急拡大

太陽光発電,住宅用
(写真=PIXTA)

太陽光発電は、国の再生可能エネルギー導入拡大の政策のもとに、ここ数年、急拡大してきたことは事実である。その原動力となったのは2012年7月に導入されたFIT制度(電力会社による固定価格買取制度)だ。この制度は、太陽光発電などの再エネの導入を拡大するため、発電電力を比較的高い価格で電力会社に買取ることを義務づける内容だ。しかし、買取る費用は、再エネ賦課金の形で、電気料金に上乗せされるため、再エネ電力の買取りが増えれば増えるほど国民の負担が増大するという悪循環が生じた。また、FIT制度によって、太陽光発電事業者が急増、設備を設置したものの、電力会社の系統に接続できないなどの問題も生じた。

経済産業省はそうした事態から、FIT制度を見直し、今年4月から改正FIT法の施行に踏み切った。見直しのポイントは、太陽光発電の認定対象を、従来の「設備」から「事業全体」とし、より厳しくしたこと、さらに、買取り価格を将来的に引き下げる目標を示し、太陽光発電のFIT制度からの自立を促したこと、などが主な点である。

制度見直しで発電事業者は倒産も