日本に在留する外国人は、この数年で益々増加しています。日本国内の人口が減少していくなか、今後は在留外国人を対象とした入居募集も考慮していかなければならないでしょう。外国人との賃貸契約ではあらかじめリスクを想定し対処しておくことで、トラブルが減るだけでなく増収になる場合もあります。

今回は、外国人への賃貸について考えてみましょう。

(写真=JP WALLET/Shutterstock.com)
(写真=JP WALLET/Shutterstock.com)

5年間で40万人にも増えた在留外国人

東京五輪や観光ビザの規制緩和の影響を受け、訪日観光客の数は急増しています。旅行で日本を訪れた経験から、留学先に日本を選ぶ外国人も増えているようです。

しかし理由はそれだけではなく、2015年の法務省通知により日本に住所を持たない外国人が代表取締役として日本で法人を設立できるという見解を発表しました。さらには、日本で法人を設立するための経営管理ビザに4ヵ月の期間が設けられ、日本ビジネスへの進出が以前よりも活発になってきたのです。

このことは、現在すぐにビジネスを興そうと考える外国人と、将来的に日本でビジネスを始めたいと考える留学生の双方へ、日本在留の増加を促すことになっています。高額な学費で、大学を出ても帰国するしか選択肢がなかった時代とは違い、外国人が日本でビジネスチャンスをつかみ、中長期の滞在、さらには永住を目指すようになっているのです。

外国人に貸すことで考えられるリスク

このような背景から、以前のように日本に在留する外国人イコール出稼ぎというイメージは変わってきています。大学への留学やビジネスに関係して、中長期滞在するために訪れる人が増えているのです。

彼らが入居者となる場合に想定できるリスクを確認しましょう。

1. 文化の違いから起こるリスク
どんな目的で滞在している外国人ともに共通して想定できるリスクです。日本では当たり前のことが通用しないことがあります。ゴミ出し、水道や水回りの設備の使い方、電気ガスなどの管理、そして騒音などです。

これらについては、外国人向けに国土交通省が資料をインターネットで掲載しています。活用することで、効果が期待できるでしょう。全く違うルールが存在することを最初に説明しないことが原因で、問題を引き起こしているのです。

2. 自国との賃貸借契約の違いから起こるリスク
日本では、今でこそ定期借家契約が存在しますが、普通の賃貸借契約では自動更新されるのが一般的です。契約期間が自動に更新されることを知らず、満了時に黙って帰国してしまう外国人は少なくありません。

3. 犯罪や不法滞在に巻き込まれるリスク
犯罪や不法滞在に関係する入居者については、外国人専門に加入を受け付ける家賃保証会社などに審査を依頼するなど、未然に防ぐ対策を講じることができます。

狭くても生活費がセーブできるシェアは外国人に特に人気

今では、外国人に貸すことイコール危険ではない賃貸事情に変わりつつあります。文化の違いも、最初から想定しておくことで回避できます。またその文化の違いから日本人に貸すよりも家賃が増収する場合もあります。

最近日本でも増えてきていますが、外国人は生活費をセーブするためにシェアで1つの部屋に住むことを好みます。交通費や食費が決して安くはない日本では特に、誰かとシェアでワンルームに住み、水道光熱費等をセーブしたいと考えるのです。

たとえば、1人住まいでの家賃設定が8万円であっても、1人5万円で2人シェアにすることで10万円の家賃にすることも可能です。一人で8万円の駅近には住めないけど5万でシェアしてでも便利で生活費の安い居住スタイルを好みます。

今後ますます増加していく在留外国人への賃貸。所有物件によっては安定的に満室経営を維持するための得策ともいえるでしょう。

(提供: 不動産投資セミナー

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